野麦峠、乗鞍温泉、ヘブンスそのはら、やなば、鹿島槍、
青木湖、さのさか |
★中央アルプス千畳敷、および乗鞍雪渓は特別レポートをご覧ください |
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穴場でなくなったダウンヒル |
野麦峠 |
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野麦峠といえば、私がスキーを始めた90年代の前半では、「知るひとぞ知る」穴場のスキー場だったらしい。
松本ICからトコトコと1時間近く山道を登らねばならない。ここまで来るような首都圏のスキーヤーはいっそのこと白馬まで行ってしまうので、けっこう、穴場であった。しかし、あちこちのスキー雑誌が穴場のスキー場を紹介する時に、必ずと言っていいほど紹介されるので、今ではいいかげんに客数が増えてしまった。
そもそも、「優れたスキーコース」と呼ばれる要件は、雪質がいいだけではなく、適度な斜度のロングコースがあるものを指す場合が多い。それはコブ斜面やダラダラの緩斜面を含まないという意味もある。これらの要件を満たしたもので、八方や妙高などのメジャーを除くと、この野麦峠スキー場や八海山、高畑などが挙げられるだろう。
私はどうせ山の中のスキー場だろうと思っていたが、行ってみたら、乗鞍や御岳がきれいに見えて、なかなかなものだった。コースも中だるみするようなことなく、直線的なロングコースであり、八海山に比肩するものがあるが、トップ標高が2130mと志賀高原の平均以上であり、雪質も加味すると八海山以上と評価できる。
しかし、20度以上の強い斜度が続くため、へたくそボーダーがみんな斜面に正対しながらズリズリと垂直にズリ落ちていき、まるで斜面をボードでスクレープしているような状況になっていた。そのため、せっかくの圧雪された粉雪を剥ぎ取り、下のアイスバーンがむき出しになってしまっていたのだ。ううむ、やめてほしいものだ。
滑走感はあるのだが、ボーダーが多いので飛ばせなかった。とはいえ、繰り返して行く価値のあるスキー場だと思う。
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コースは流れるように縦長だ |
まずはこのクワッドで |
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遠くに御岳を見ながら |
ここはコブコブだ |
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最上部が一番見晴らしがいい |
下の方は混雑している |
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松本ICから野麦峠スキー場までの登りは、狭くて曲がりくねった道が延々と続く。あらかじめ山本茂実の『あゝ野麦峠』(角川書店)を読んでおけば、車で登れることにありがたみを感じ、長い山道も苦にならなくなるだろう。 |
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いやー、まいった
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乗鞍温泉 |
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テレカ |
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岩原や小海リエックスにも
あった、とんがり屋根だ |
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コースもいい |
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人生最大の渋滞 |
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須玉のゲートで渋滞だ |
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乗鞍温泉は野麦峠と並んで、松本ICから山道を登るスキー場である。しかし、ここはトップ標高が2000m級と雪質はひけをとらない。
野麦が直線的なレイアウトであるのに対し、こちらは乗鞍、国設、休暇村の3つのスキー場の集合体なので、混雑も分散されやすい。しかも、温泉付きだ。
コースはロングコースがあることになっているが、途中で一体感が無くなる部分や漕がなければいけない場所があるので、野麦峠のような距離のものは無いと思った方がいい。
鳥居尾根ダウンヒルは、ここだけのためにクワッドが架けられているコースだ。しかし、幅が狭くてあっという間にコブだらけになってしまう。
最終的に気に入ったのは、最上部のかもしかコースで、練習には良かった。
さて、私はここで忘れられない思い出がある。人生最悪の渋滞にはまったのだ。
スキー場を切り上げたのは、午後4時ちょうどだった。コースが良かったので、遠くに来た割にはねばってしまった。松本ICの直前でガソリンを給油し、ICから高速に入ったのは5時8分だった。
ところが、高速道路の上で雪が降ってきた。ワイパーが必要なくらいだ。そして雪は激しくなる。中央道原PAで休憩を入れる。ここで、清里あたりで高速道路が閉鎖されているという情報が入る。やばい。でも、帰る道は、ここまで来ると、中央道しかない。6時7分にPAを出る。徐行運転だが、私の前方のワゴン車がスリップし、きれいに180度回転して、私とにらめっこになった。子供が悲鳴をあげ、オヤジがあわててハンドルを切って方向を直した。ラジオによると、中央高速はノーマルタイヤの車による事故が多発し、閉鎖されてしまい、須玉で全車両が下ろされているという。やばい。路肩には、ベンツやBMWなどの車が並んでいた。ノーマルタイヤで、全く身動きが取れなくなったのだろう。救出しようにも、この渋滞では、救出もできないのでは。ゆっくり走っていたが、とうとう止まってしまった。高速道路における渋滞とは、時速40km以下の状態を言うが、完全に止まってしまってはどうにもならない。バックミラーの上に数センチの雪が積もる。すると今度は、路肩にチェーンを巻いているはずの車が寄せられていた。恐らく、双葉PAあたりでガソリンを補給しようとしていた連中が、長時間の渋滞で暖房を入れて、ガス欠になったのだろう。私はICに入る前に満タンにする習慣があったので、助かった。
結局、須玉のICを通過したのは、8時36分だった。料金所のオヤジに何かルートは無いか聞いたら、甲州街道を行けだと。でも、そこも大渋滞だ。清里、野辺山を北上し、佐久から高速道路に入ることも考えられるが、この大雪では、山の中など走れないだろう。ICから甲州街道への大渋滞に辟易し、韮崎からR52で南下して、東名高速に乗ることにした。たとえ甲府に入っても、中央高速が高尾まで全面的に閉鎖されているので、甲州街道は使い物にならないだろうと判断した。R52に入ったのは9時31分で、コンビニで飲食料を調達した。
しかし、みんな考えることは同じで(選択肢が少ない)、このルートがえらい混雑しており、数メートル走っては止まることの繰り返しだった。あっという間に1時間が過ぎたのに、あまり距離を稼いでいなかった。そこで地図を調べたところ、川むこうにR52と平行して県道が走っているのを見つけ、そこを走ることにした。スタッドレスタイヤだから何とかなるだろう。実際に走ってみたら、心配になるほど車が少なくて、心細かったが、身延線の各駅に近くになると明るくなるのでほっとした。おかげで非常に距離を稼ぐことができた。そして深夜の1時8分に富士有料道路、1時12分に東名富士ICを通過し、舗装道路を走ることができた。そして2時28分に環状8号線の出口に到着したのだった。それにしても、思わぬ地獄からの生還だった。
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右が鳥居尾根だ |
ファミリー多し |
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このコースもいい |
シュルシュル滑ろう |
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いい斜面だ |
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上信越自動車道のように、タイヤチェックをして、スタッドレスだけでも通してくれれば、下道だってこんな渋滞にはならなかったはずだ。JHには改善してほしいものだ。
それと、(1)高速に入る前にガソリンを入れる(2)地図を常備する(3)スキーに行く人は、スタッドレスタイヤにする(4)あせらない。あせって事故を起こしては何もならない。
以上の4点を肝に銘じてほしい。 |
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上だけのスキー場 |
ヘブンスそのはら |
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テレカ |
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ゴンドラ駅。スキー場は
左の山の上だ |
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パノラマコース |
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ここはガーラ湯沢のように、ゴンドラで上に登り、上だけ滑って、ゴンドラで降りてくるというスキー場だ。
行く時には、絶対に気を付けなければいけないことがある。それは、薗原(そのはら)ICではなく、飯田ICで降りるということだ。薗原ICは名古屋方面からの出入り口しかなく、東京方面からは全く利用することができないので、手前の飯田ICで降りて下の道を走らなければならない。うっかりすると、次の中津川ICまで行き、Uターンしなければならなくなるという、とんでもないICなのだ。
さて、実際に滑ってみたが、雪付きの悪いコースが多いせいか、今ひとつスキー場の気がしない。その割には混雑しているのは、名古屋方面からアクセスしやすいからだろう。距離的には、東京の人間が足を伸ばすほどのスキー場ではないので、駐車場のナンバーも首都圏は少なかった。
写真のパノラマコースは広い方で、混雑時はボーダーに気をつけないといけないだろう。
面白い話を一つ。あちこちのスキー場で子供をそりで遊ばせている親が多いが、彼らはリフト券を買わない。つまり、タダで遊びにい来ていることになる。
そのため、軽井沢プリンスなどではそりのコーナーでも入場券を買ってくださいと看板があったほどだ。
私が帰るとき、下のゴンドラ駅のあたりで子供を連れた親がそわそわしていて、「この辺に子供にそり遊びをさせる場所はないでしょうか」と尋ねてきた。
そう、ここはゴンドラ券が入場券の役割を果たし、タダでは遊べないようになっているのだ!!。
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ゴンドラの降車場だ |
さて、あれに乗るか |
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このリフトによく乗った |
雪は少なめだ |
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混雑している |
造成されたゲレンデだ |
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「長野五輪」の国旗掲揚台だけ
持ってきている |
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ヘブンスに飽きて、翌日おんたけ方面に行くのなら、早めに切り上げて、馬籠(まごめ)に寄ろう。旧中山道の宿場町で、島崎藤村の小説で有名な観光地だが、なかなかいい。木曽福島に宿を取るなら、妻籠もいい。 |
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馬籠の入口だ |
最初だけ強い上り坂だ |
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いい感じだ |
そば屋だ |
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藤村記念館だ |
大黒屋だ |
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文学少女が涙を流す景色だ |
おやきはどこにでもあるから
油断は禁物だ |
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馬籠宿の石柱 |
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(ここから妻籠) |
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妻籠もいい |
夕方で店は閉まりだしていた |
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夕暮れでもいい感じだ |
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ナイターもいいよ |
やなば |
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ナイター直前 |
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ナイター突入直後 |
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やなばは、国鉄(JR)の駅と一体となったスキー場の草分けであった。
近くに白馬の全国区のスキー場が並ぶため、いろいろと努力しているようだ。ナイターはロングコースで楽しめ、ナイターの貸切ポールコースで練習しているグループもおり、他のスキー場では真似できないサービスをしている。
私は白馬コルチナに行った時に吹雪かれて、滑り足りなかったのでナイターに行ったのだが、十分に堪能できた。人気のある大規模スキー場の近くの中規模スキー場である。わざわざ東京から行くほどではないが、ナイターのみの利用も悪くない。私は好感が持てるスキー場だ。あなたも、白馬方面で同じようなことがあったら、選択肢に加えてみよう。トップシーズンの混雑期ならば、昼の八方よりもナイターのやなばの方が滑走距離はかせげるかもしれない!。
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センターハウス |
中では半額セールもやっていた |
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ここには、カルーセルという、変な機械がある。ボーダーのためのもので、写真の棒につかまり、ぐるぐる回転してもらい、乗る練習をするという仕組みだ。
練習させてもらうのか、見世物になるのか分からないが、スキーヤーも交渉して、練習させてもらおう! |
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槍もってこい |
鹿島槍 |
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テレカ |
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こんな感じ |
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山の尾根沿いにとにかく造ってしまったという感じのスキー場で、どこがメインゲレンデだかよく分からないレイアウトだ。初めて行く人は、自分がどこにいるのか、訳がわからなくなったりするかも知れない。
山の上を滑るので、雪質はいいだろう。晴天の時は北アルプスの景色がきれいらしい。そうでなければ、まあ、ロングコースの無いトレーニングバーンだと考えた方が良さそうだ。
とりあえず、バリエーションは多いのですぐに飽きることはないだろう。もし退屈になったら、隣接する青木湖に滑り込み、景色を楽しもう。
近くに白馬のビッグネームが並ぶので、この規模としては混雑は少ない方だと思う。
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鹿島槍の典型的なコース |
セントラルプラザは宿泊施設もある |
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広がるので混雑が少ない |
青木湖との連絡路は初心者にはつらい |
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青木湖を見ながらジグザグに
青木湖スキー場へ行く |
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職業柄,、マーケティング関係の雑誌によく目を通すが、ある雑誌で、鹿島槍スキー場が採り上げられていたことがあった。顧客アンケートを行い、要望の多かったゲレ食のカレーの味を改善して、満足度を高めたというものだ。どんなものだか、次回行ってみた時に食べてみたいものだ。 |
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レイク・ビューNo1
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青木湖 |
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テレカ |
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青木湖に向かって |
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湖を見ながら滑ることができるスキー場は糠平温泉、田沢湖、羽鳥湖、たしろ、白樺国際、玉原などあちこちにあるが、この青木湖はすぐ近くまで接近して滑ることができる。
スキー場そのものは大きなものではない。むしろ、白馬のスキー場の中では小さい方だが、両隣の鹿島槍、白馬さのさかと共通リフト券を作ることによって、規模をカバーしている。
その中でも、このスキー場は青木湖にかぶりつくようにレイアウトされており、異彩を放つスキー場だと言えるだろう。
決して混雑しているわけではなく、むしろ鹿島槍よりもすいている。景色を楽しみながら、のんびり滑りたい時や、スキーが初めてという人がいる時にいいだろう。
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いい感じだ |
どこからでも青木湖だ |
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すぐそこまで迫っている |
青木湖に滑り込むようなコースだ |
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鹿島槍・青木湖・さのさかに来て、どこかに宿泊するなら、ここのホテルブルーレイクがいい。ここのパックが一番安かった。ただし、初心者がいる場合、鹿島槍との連絡コースは難儀するだろう。そのときは、鹿島槍から下りのリフトで青木湖に入る手がある。 |
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さのさか |
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テレカ |
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スキーセンターを上から |
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白馬さのさかは、鹿島槍、青木湖と共通リフト券を持つ「サンアルピナ」軍団の一角を担う。
ここはモーグルバーンを持ち、モーグルに対する配慮の高さによって、特色を打ち出していることで知られている。
駐車場から大糸線の踏み切りを越えて、スキーセンターのカストルプラザへ。そこからは右手に大きなバーンが見えるが、そこがモーグルコースとなっている。
青木湖へ抜けるには、左手のリフトを利用するのだが、これといってロングコースがあるわけではない。あえて言えば、白馬の中ではすいているということだ。
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駐車場から |
駐車場からスキー場へは電車の線路を
越えていくのだ! |
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横に広い3エリアの右端だ |
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さのさかは、逆から読むとかさのさだ! |