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 ウィスラー
 
  
マーケティングに優れたスキー場
 
ウィスラーの概要
日記:1〜2日目(東京 〜 バンクーバー 〜 ウィスラー)
日記:3日目(ウィスラー)
日記:4日目(ブラッコム)
日記:5日目(ウィスラー 猛吹雪)
日記:6日目(ウィスラー パウダーデイ)
日記:7日目(ヘリスキー)
日記:8日目(ブラッコム ブラッコム氷河)
日記:9日目(ウィスラー 初心者コース)
日記:10日目(ウィスラー 〜 バンクーバー 〜 東京)

ウィスラーの概要 

 ウィスラー(Whistler)はカナダ北西部、太平洋に面したバンクーバーから車で一時間半ほどの場所にある、スキーリゾートである。
 日本人に好きな海外スキー場のアンケートをすると、毎年必ず1位になるスキー場であり、当然、行ったことがあるスキー場でも1位である。その理由としては、海外スキーとしては近いことと、料金が安いこと、そして多くの人がいったことがあり、情報も豊富であることがあげられるだろう。

 
鳥瞰図
 
■ウィスラーのゴンドラ駅前
 (3日目)
■ウィスラーピーク付近で
 (3日目)
■ブラッコムのホーツマン氷河で
 (4日目)
■ブラッコムのセブンスヘブンにて
 (4日目)
■ブラッコムのセブンスヘブンにて
 (4日目)
■ウィスラー山頂付近
 (6日目)
■ヘリもいいぞ
 (7日目)
■ブラッコム氷河
 (8日目)
■ブラックタスクはすごい山だ
 (9日目)
  
  ■雲海に向かって
 (9日目)
■ウィスラーよりブラッコムを見る
 (9日目)
 ウィスラーという名で知られてはいるものの、実際にはウィスラーという山と、ブラッコム(Blackcomb)という山の二つのスキー場を指す。が、両方の山のベース基地がウィスラー・ビレッジであるため、ウィスラーと呼ばれている。両方とも同じくらいの大きな山で、リフトで登れる標高はウィスラーが山頂の2182m、ブラッコムはほぼ9合目の2284mとなっており、ビレッジが675mだから、高低差は約1500〜1600mとなる。標高としては志賀高原横手山より低いが、緯度が高い(北海道よりも北に位置し、樺太の真中あたりに相当する)ので、ゴンドラ一つ上がっただけで森林限界を超えて、一面の銀世界になる。ちなみにウィスラーはwhistler、つまりホイッスルを吹くころであり、山での風が強く、いつもピューピュー言っているから名付けられたらしい。
 
 このウィスラーは私が最初に行った海外スキー場でもあり、唯一、同じ場所に2回行った所でもある。このウィスラーのページでは、特に、初めて海外スキーに行く人のことを意識して紹介したい。
 なお、私が行ったのは94〜95年と95〜96年の年末年始の2回だが、日記の方は95〜96年をベースにして、94〜95年からは若干のエピソードを採用することにした。
 また、ウィスラーはゲレンデの増改築や変更が頻繁にあるので、詳しいスキー場データ、最新情報は他のサイトをご覧になることをお勧めする。

(1)旅行費用
 旅行代金は非常に安い。バンクーバー行きの便が多いことと、旅行会社の取り扱いも多いので、ヨーロッパや南半球と比べて格段に安い。私は13日(滑走10日)で往復エアと宿泊(2人部屋、朝食付)で14万円ほどだった。これは出発日を考えるとまだ高い方で、ビレッジにあるホテルのパックはもっと安いことを付け加えておこう。ただし、基本的にどこも夕食は付かないものだと思っておいたがいい(ヨーロッパは食事込みが多い)。
 しかし、クリスマス休暇に入る金曜日の場合は、同じ日数だと6万円くらい、一気に上がる。年末年始にからむと、10万円も上がるものもある。私よりも後に来て、先に帰った人の方が8万円も高いことがあった。上司を拝み倒してでも、賄賂を贈ってでも有給をもらおう。私は休日出勤の振り替えという強制力の強い休みをあてて22日ごろから休んだが、1日でも遅れると3万円も違っていた。
 物価は安い。ビレッジ内にはスーパーマーケットもあり、食品など安く、肉類は特に安い。日本より高いのは、タバコと日本製カップめんくらいであった。ちなみに、タバコは1箱500円以上する。税金のかかりかたがすごいのだ。税金のかたまりだ。ついでに、カナダでは屋根のある場所は全て禁煙だと思っていい。タバコ嫌いの私には、助かった。

(2)ツアーの種類
 英語に自信があれば、自分ですべて手配することもできる。インターネットなどで宿を確保したり、エアと宿泊だけのパックツアーを料金だけで決定し、現地での送迎バスや、スキー場ガイドは不要だ、というものだ。滑走日数が4日以上あるなら、自分で地図を見ながらでも滑ることはできる。全コース滑走は難しいが、もともとそれは国内スキー場でも意味がないこと。主なコースは制覇できるだろうし、後で「重要なポイントを回れませんでした」とか「あの景色を見る時間がなかった」ということはないだろう。案内表示やリフト、各種サービス等、マーケティングが実によくできており、迷う心配もない。
 2週間以上の長期滞在で無い限り、ウィスラービレッジのホテルを利用することをお勧めする。私は2回とも会社の先輩と行ったので、先輩行きつけのアルパインメドウズにあるアルパインロッヂというロッヂ(送迎車で5分)に行ったのだが、送迎車の時間があるため、常に時計を気にしていなければならなかった(しかも、ビレッジのホテルよりもツアー料金が高いのだ)。
 ウィスラービレッジのホテルには日本の旅行会社のデスクがあるものもある。ホテルには飲食や遊戯施設もあり、ビレッジを散策するにも便利なので、特に1週間くらいの滞在では、ウィスラービレッジに宿泊することをお勧めする。
 ただし、このウィスラービレッジはどんどん拡大している傾向にある。ビレッジ内のホテルからは、板をかついでスキーブーツのままゴンドラ乗り場(ブラッコムへは連絡ゴンドラ乗り場)へ歩いていけるが、遠く離れた新しいホテルからだと結構歩くことになるので、注意が必要だ。
 このウィスラービレッジも毎年変化拡大しているので、最新情報を入手しておくこと。
 最高級ホテルはブラッコムにあるシャトー・ウィスラーで、毎年クリスマスにはミック・ジャガーがスキーで宿泊しに来ることで有名だった。最近、ウィスラーとブラッコムの両方にアクセス便利な(ゴンドラの目の前)日系(東急系)のパンパシフィックロッヂ・ウィスラーというホテルができて、アメリカのスキー雑誌で、「北米で最も満足度の高いスキーリゾートホテル」を受賞しているので、要注目だ。次回行く時は、利用してみたいものだ。

(3)スキー場の性格
 世界の7カ国を回った今になって振り返ってみると、「ガンガン滑るためのスキー場」「マーケティングがよくできたスキー場」「楽しむことを意識したスキー場」という印象がある。初めて海外スキーに行く日本人にはパウダー天国、エクストリーム、リゾートライフという印象を受けるだろう。日本国内の30ヶ所くらいを滑りまわった私でも、初めての海外スキーのせいもあってか、非常に新鮮なインパクトがあった。海外スキー入門者にはとにかくおすすめだ。

(4)日本のスキー場との違い
@1本のゴンドラやクワッドの長さが長い。
 そして、やたら速い。クワッは2.0Kmから2.5Kmが多く、ゴンドラは5Kmを超える。したがって、クワッドは日本のゴドラ1本分であり、気に入ったバーンを繰り返しゴリゴリ滑るには理想的である。

Aすいている。
 というより、日本が込みすぎなのだ。バーンが広く、人も少なめなので、滑りやすい。ただし、子供用のスクールをしているコースではスピード制限が厳格なので注意が必要だ。

Bスキーヤーたちは地味だ
 みんな登山やアウトドア系の、防水加工されたアウトドアの服装と思っていい。その影響か、何かと色は暗めで地味である。私が行った95年は日本では華やかな色のウェアがあたりまえだったので、日本人は遠くから見てすぐわかる。笑ってしまう。

Cスキーヤーたちは強い
 「うまい」というよりも、「強い」という滑り方をしている。開脚気味で、そう簡単には転ばんぞという滑りだ。足を揃えてパラレルとかは日本人が多く、赤っぽいウェアでウェーデルンをやっていたら、それはもう日本人だと思っていい。私は、日本人以外で、ウェーデルンで滑っている人をほとんど見なかった。
 それにしても、彼らは転んでも楽しそうである。当時、バッヂテストに燃えていた私には、考えさせられるものがあった。

Dスキーヤーとボーダーは仲がいい
 というか、普通だ。日本ではリフトに乗るときも、スキーヤーとボーダーが牽制しあうような雰囲気があるが、別に何も気にしていないし、平気で話し掛けてくる。ただし、ボーダーのための施設はブラッコムの方が整備されていたので、ブラッコムのほうにボーダーが多い傾向がある。

Eスポーツは自己責任である
 スキーヤーの責任規約(Responsibility Code)がリフト券の裏や各施設などに明示されている他、危険個所には「ここを滑るかどうかは、あなたの責任で行いなさい」という表現になっている。日本とは大違いだ。だから、切り立つガケだろうが、滑ってよろしい。
 (自己責任に関する考察については、スーパーエッセイ「スキーと自己責任」をご覧下さい)

F木の間を滑っていい
 日本では木の間は滑ってはいけない。その理由の一つは保護マットなどを巻いていないので、木の皮をはがしたりする可能性があることや、木にぶつかってケガする可能性もあるからだ。しかし、カナダでは自由だ。特にブラッコムなどではわざわざ、木を間引きして、木の中をすべっていいというコースを造っている。そのコースは木に保護マットを巻いているので、入門者にももってこいだ。なお、パトロールはスキーヤーが木の間を滑るのを喜ぶらしい。エリア内で雪崩が発生してスキーヤーが巻き込まれたらスキー場の責任となるが、木の間で激突死したらスキーヤーの責任なのだ(木のある所には雪崩は起きない)。ちなみに私が滞在中、ボーダーが1人、木に激突して死亡したが、翌日、そのコースは閉鎖されることはなかった。

G作法がある
 最大の作法といえばリフトの乗り方であろう。日本のような、忍耐を拠り所とする無秩序な並び方(むしろ、スキー場の怠慢であるが)ではなく、合理主義に基づく規律が保たれている。作法の詳細は日記にあるので、ご覧いただきたい。なお、リフトの乗り方に関する考察はスーパーエッセイの「リフトに思う」にあるので、ご一読いただき、ご意見をいただければと思う。
  
ウィスラーの概要
日記:1〜2日目(東京 〜 バンクーバー 〜 ウィスラー)
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