参った。こういうのを参ったという。翌日の朝、衝撃が走った!。わずか3時間の時差だというのに、寝坊してしまったのだ!。よく見たら、ホテルの目覚ましが作動しなかったのだ。私は一応、目覚ましは持参していた。そして出張や旅行でも、必ずホテルの目覚ましやモーニングコールとダブルで時計をセットしていたのだが、今回に限って、なぜか持参した時計をセットしていなかった。そしてよりによって・・・・・。よく確認すべきであった。目覚ましをセットしていなくても、たいていその時刻が近くなると目が覚めるものだが、今回は昏々と寝てしまったのだ。いかん!。
私は基本的にパンクチュアルな人間であり、幼稚園から高校までの14年間を無遅刻無欠席で通してきたのだが、実にバツが悪い。2時間も寝過ごしたため、ツアーはとっくに出発していた。急いで支度をして、ホテルを出た。今日の行き先はリマーカブルだったな。
ホテルの目の前がバスの出発ターミナルであるのが救いであった。いいタイミングでバスに乗った。
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■チェーン付け替え中、近くにいた作業車。
動けなくなった車を押すためのクッション付きだ。 |
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■やっとこさリマーカブルに到着 |
バスはゆっくりと山を登った。途中でタイヤにチェーンを着けたりしている。ええい、早く行かんかい!。スキーリゾートのエリアだというのに、このへんの車はスタッドレスタイヤではなく、チェーンが多い。その理由は少し山を登った所でわかった。噂には聞いていたが、ニュージーランドの山は、富士山のように、上半分が雪に覆われているのに、下半分や、平地は雪が無くて、青々としているのだ。実に不思議だ。そのため、車はノーマルタイヤが多いらしい。もともと暖かい国なのだ。
バスにチェーンを着けている間、チェーン着脱所には写真にある、作業車が見られた。何事かと思ったが、動けなくなった車を押したり、どけたりするためのクッションが付いているようだ。
なんとかリマーカブルに到着。前日に購入した券はバスとリフト代込みなので、リフト券をもらう。到着したときには、ちょうど昼食に入るところだった。
一人で滑りまわるが、リフト本数を考えると、決して広いスキー場ではない。しかし、ほとんど木が生えていないので、日本のスキー場とは同じ地球上とは思えないほど様子が異なる。
まず、広い。視野をさえぎる樹木が無いので、やたら広く感じられる。次に、オフピステが開放されているので、混雑が無く、これまた広く感じられる。面積そのものは日本の大型スキー場くらいだろうか。しかし、以上の理由からとても広く感じられるのだ。あえて言えば、日本ではARAIに近いといえる。
ここの名物といえば、山頂部から見下ろす湖なのだが、ガスが出ていて、よく見えない。しばらくすると、ガスが強くなってきた。まずい。木が生えていないので、迷子になりそうだ。ピステンの跡をとろとろ滑っていたら、ガスで目の前が真っ白になり、右も左も、上も下も分からなくなる、ホワイトアウトの状態になった。それでも滑っていると、突然、鈍い衝撃が走り、両足がスキー板から外れた。
気が付くと、私は大の字になって、雪の壁にめり込んでいた。目の前がカーブになっていて、雪の壁があるのを知らずに滑っていたら、そのまま両スキーが突き刺さり、両足のブーツが外れて、体ごとめり込み、雪の壁には私の跡がくっきりと付いていた。漫画の世界によくある話が、本当に起きたのだ。
最初で怪我でもしたらつまらない。そそくさとレストハウスで休憩し、ガスが晴れてから再び滑りだした。あちこち写真を撮り、3時にはスキー場を出発、ホテルに戻った。
この時以来、国内外を問わず、旅行の時は小型の目覚ましを携行し、ホテルの備え付けの有無に関係なくセットする習慣が付いてしまった。私にとっては、トラウマであった。
今日のアルバム
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