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斑尾サンパティック・北竜温泉ファミリー

   別々のスキー場だ
 雪だるま 2013年レポート(2) 信越-2
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  昨日夕方から降り続けた雪は朝には止んでいたが、空はいかにも水分を含んでいそうな雲がびっしりだった。隣の山が見える程度の視界で、とても妙高など見えないだろう。
 今日は斑尾サンパティックと北竜温泉ファミリーに行く。この2か所に行けば、北信越は全て行ったことになるのと、実はそれぞれ特徴があることを事前情報で仕入れたからだ。

斑尾サンパティックスキー場
 
0120-57-3838



斑尾サンパティックスキー場
(Webを加工)
サンパティック
ホテルサンパティック。
スキー場は全く見当たらないが
サンパティック  
 ホテルの向こう側にはスキー場が広がる  
サンパティック  
 チャレンジコースではカップルの
ボーダーが和んでいた
 
サンパティック  
 このリフトこそスキー場の心臓だ  
雪庇
いつ落ちるか、なんか気になるんですけど
  まずは斑尾高原スキー場から車で1、2分くらいのところにあるサンパティックから行ってみることにした。ここは1980年代のバブル期に乱立したスキー場のひとつで、サンパティックホテルに直結したホテル一体型だ。このホテル経営がいいかげんだったらしく(キャンセルを見込んでオーバーブッキングをやっては大騒ぎになったり)、2011年6月に自己破産したのだが、今シーズンから営業を再開したという。今の時期に復活するのだから、それなりの決意があるのではないかと期待したくなるスキー場だ。
 たいていのスキー場のホテルは最も標高が低いところにあるものだが、ここはゲレンデの一番高いところにある。スキー場の最下部へは車でアクセスできないので、誰でもまず1本滑ってからリフトに乗ることになる。そういう構造のため、車でホテルサンパティックに到着しても、斜面がどこにも見えない。建物の裏側に出て初めて、ここがゲレンデの最上部だと気づくようになっている。
この理由から、斑尾スキー場のペンション街をひとつの町とみなすと、その町中にある、という印象がある。ちなみに、サンパティックというのは居心地がいいとかいう意味のフランス語らしい。

 到着してすぐに1回券を3枚ばかり購入、まずは中級のチャレンジコースを滑ってみるか。滑りだしてすぐ驚いたのは、とにかく圧雪が丁寧で、とても滑りやすい。うーん、なかなかサンパティックではないか。適度な幅とすいているのと、斑尾高原の非圧雪に対抗するかのような丁寧な圧雪は、パラレルで飛ばすのにはもってこいだ。ただ、ロングコースではないので、快適に飛ばしたとおもったら、もうゴールなのが残念だ。
 リフトの係員も愛想がよくていい。景色は・・・この標高とロケーションでは期待する方が無理で、晴れた時の斑尾高原には対抗しようもないが、とにかく滑りやすさはすばらしい。練習するにはこちらの方がいいんじゃないかと思えるくらいだ。ただし、コブ斜面のような上級コースや、初めて板を履くような初心者向けの緩斜面は無く、中斜面主体ではあるが。
 リフトで最高地点に戻り、客の多い第二ゲレンデの方を滑る。ここでハッと気づいたのだが、よく見たら、客は私以外、全部ボーダーだ。あれ?このスキー場はボーダー専用だったっけ? でもリフト係、何も言わなかったしなあ。見渡す限り、ボーダーばかりで、スキーヤーが一人もいない。まるで、混浴だからよかろうと風呂に入ったら、女性客ばかりだったみたいで、みんなから「あら、やだ」みたいな目で見られているようで、どうも気まずいくらいだ。第二リフトに乗ってゲレンデを見渡したら、なんとかスキーヤーを一人見つけることができた。それにしても、これだけボーダー比率が高いスキー場は見たことがなかったが、単なる偶然だろうか。
 ちなみにこのスキー場はさらに斑尾山の低いところにある斑尾高原豊田スキー場と共通リフト券だったのだが、豊田は閉鎖となってしまい、孤軍奮闘しているようだ。すぐ近くの斑尾高原とはうまく差別化を図って存続していってもらいたいものだ。たとえば滑っていれば必ずリフト乗り場に降りられるので、迷子になりようがなく、子供が少しは滑られるというファミリーにもいいかもしれない。斑尾高原のように、はぐれるチャンスがいくらでもあるのとは大違いだ。不慣れなアジア系客の団体となると、斑尾高原では面倒みきれないだろう。

北竜温泉ファミリースキー場
 0269-85-2353(シーズン中)
 0269-65-3121(シーズンオフ)

 


 北竜温泉ファミリースキー場
(Webを加工)
北竜温泉
こんな道を入るんだってさ
北竜温泉 スキー場  
 練習にはよさそうだ  
北竜温泉 スキー場  
 女の子もいたぞ  
北竜温泉 スキー場  
 北竜湖から第二に向かって、
ずっとこんな上り坂だ
 
北竜湖  
 千曲川の対岸、今は閉鎖された信濃平スキー場が見える  
北竜温泉 スキー場
ロープトウが動いてないよ!
北竜湖  
 第一ゲレンデに戻って、ポールコースの
斜面を上から見下ろす
 
飯山 そば  
 これが割子そばの三宝そば。具だくさんだ  
飯山市  
 この上が新幹線のホームになる  
 斑尾山を降りて、飯山市から千曲川沿いに野沢温泉方面へ。野沢温泉スキー場が見えるくらいのころ、山道をちょこっと入ると北竜温泉ファミリースキー場がある。ここは北竜湖という、ハート型の湖があるスキー場だ。
 11時過ぎに到着。見たところ、非常にきれいに圧雪された第一ゲレンデがあって、ポールレッスンが行われていた。ヘルメットにワンピース、みんな本格的だ。こんな小さなすいているスキー場だからこそ、貸し切り状態でできるのだろう。しかし、普通に滑りに来た者にとってはこのコースにポールを並べて貸し切り状態にされると、滑ることができるのは、迂回コースのみだ。あまり滑る価値もなさそうなので、とりあえず北竜湖に行くか。リフトで山上に登ると、中高年の団体がいて、ガイドに引率されながら、スノーシューでハイキングをしていた。おお、いいねえ。ところが北竜湖側に下るととんでもないことに気付いた。
 このスキー場は第一と第二に分かれているが、はっきり言って、完全に分断された別のスキー場と思ったほうがいい。北竜湖畔に降りた時点が最も標高が低く、第二ゲレンデまでは延々と上り坂なのだ。たとえ距離が離れていようが、板を履いたまま滑りこむことができれば一体感は損なわれないが、登りがあると心が折れて、完全に別のスキー場になってしまうのだ。
 コースから湖をハート型と視認することは難しい。いや、湖面は凍結していて白い畑のようになっているので、湖というのも言われないと気づかない。さらに文化北竜館の近くの登りはきつく、ついに板を担いでしまった。これじゃあ、ボーダーはたまったものではないだろう。
 文化北竜館は立派な建物だ。なぜか東京の文化服装学院が経営しているらしく、一般利用もできる宿泊施設でもある。こちらで板を履き、1本、滑ってみた。
 なだらかな初級斜面で、幅も広い。特に千曲川を挟んだ対岸の景色の広がりがすばらしい。信濃平、戸狩などが並び、野沢温泉スキー場の景色に似ているなと思ったが、野沢温泉とはほぼ並ぶ位置関係だから当然だ。
 初心者でも、スキー場の景色の雄大さを味わいながら滑ることができるのはいいことだ。
 しばらくいるうちに、客層が違うことに気付いた。身体障がい者が多いようだ。すると昼時なのか、みんな一斉に文化館に入っていくので、私も食事を兼ねて入ってみた。
 文化北竜館の中には大勢の子供たちがいて、昼食がはじまるようだ。今日は午前であがるらしく、フロントでは帰り支度でてんてこまいのようだ。食堂の前で職員らしき人に聞いてみたら、なんと東京から来た特別支援学校関係らしい。東京からここまでバスで大変な距離でしょうと聞いたら、途中でトイレ休憩を3回も入れるとか。それでも、ここなら貸し切り状態になるのと、スキー場に隣接した宿泊施設で、障がい者向けの設備も整っているので、毎年来ているらしい。
 私も障がい者のスキーボランティアをやっているし(身体障がい者の清里蔵王スペシャルオリンピックスみて)、ちょっと気になるところだったので、いろいろ話を聞いてみた。
 この文化北竜館もこのような利用がされているところで、宿泊施設の人によると、来週は大阪からも同様の団体が来るらしい。なるほど、そうしてみると貴重なスキー場ではないか。みんな、楽しい思い出を作って帰るんだよ!
 かくいう私には苦行が待ち受けていた。第一ゲレンデに戻るのに、山道を歩いていかなければならないのだ。第一ゲレンデトップからミニロープトウ(実際には、クラックを使ったワイヤ)の下まで至るコースに合流するまでは、板を担ぐには中途半端なゆるい登りの坂道が続き、汗だくになった。そしてロープトウに来たら・・・止まっていた。げっ、係員は小屋にいない。今日は休みか!ロープトウ脇の登り坂を、板を担ぎながらしみじみとツボ足で登って行った。するとロープトウ最上部の駅からお兄さんが出てきて、下の小屋に人がいる、昼食中かもしれないから、たたけば出てくる、せっかくだからタダでいいので乗って行けと言って、強引にロープトウ駅に戻らせた。いったい、何なんだ。言われたとおりに下に降りたら係り員が出てきて、「あ~、動かしますよ」だと。客がいないから、寝ていたのかなあ。苦労して上った足跡を横目に見ながら、ロープトウで登った。乗るのが難しいうえ、やたらと遅いロープトウだが、そのありがたみを涙がでるほど身に染みて感じたのであった。降車したところでロープトウ乗車を勧めてくれた河野さん(野沢温泉あたりは多い姓らしい)という係員としばらく話し込んで様子を聞いてみた。
 北竜湖第一はレース好きの人がスクールを行っており、それに参加するために平日でも学校を休んで中高生が首都圏や関西からまで集まるという。これが大きなお得意さんで、あとは地元の人がほとんどだとか。そうだろう、大都市からここまで普通に滑りに来るくらいなら、野沢温泉に行ってしまうだろう。
 それにしてもこのスキー場は同じ北竜温泉の名を冠していながら、全く別のスキー場と考えていいくらい分断されていて、性格も客層も違っている。小さなスキー場がさらにまとまらずに小さくなっているのだ。でも野沢温泉の隣にありながら現に存続している。これからもそれぞれの特色を生かして、いつまでも無くならないスキー場であってほしい。

 帰りは、以前、斑尾にグラススキーに来たときに寄った富倉そばがおいしかったので、飯山市で食べてみることにした。ここで注意してもらいたいのだが、そばやは軒並み4時ごろは開いていないという場合が多い。夜の準備ではなく、麺が無くなったから今日はおしまい、というパターンだ。それを知らずに富倉そばの本店に電話したら、耳の遠そうなジイさまの声で、もう終わったという。じゃあ、夜は何時からですかと東京の感覚で聞いてしまったら「もうやんねえよ~ ガチャッ」と、電話を切られてしまった。こらア、客に向かってなんちゅう口のきき方だ! ううむ、ガイドブックに載って、一見客が大勢来る店には往々にしてある高飛車パターンだが、このせいで1回そばを抜いたら、帰りの高速で気分が悪くなって吐きそうなので、飯山市内に電話をかけ、駐車場があって、この時間に営業している店を探して行ってみた。そこは「源」という、夜は居酒屋という感じの店だった。つなぎにオヤマボクチを使った富倉そばではないが、普通の十割そばだという。メニューを見たら、三宝そばと称して、とろろ、山菜、野菜天ぷらの割子そばセットがある。割子そばは出雲の食べ方で、私も食べたことがあるが、これは器の名前だから、そばが信州産であれば問題ないだろう。なかなかおいしいし、具も良かった。
 居酒屋らしさがあったのは、店の真ん中にでかい鍋があって、おでんが1品無料、追加しても1品50円ということだったので、2品追加していただいた。オヤジも話してみるとおもしろそうな人で、いくらか心もお腹も和んだのであった。
 店を出てすぐのところに新幹線の駅が建設中だった。2年後、長野新幹線が富山まで延伸し、その駅だという。新幹線ができれば野沢温泉もぐっと近くなり、この雪国も大都市から身近になるだろう。このエリアも、新しく来るお客様の最初の印象を害さないように、エリアの住民も一丸となって、客をもてなしてもらいたいと思った。
 
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斑尾 斑尾サンパティック
ロコというほど小さくもない 動脈のペアリフト。ずっと上にホテルが見える
小屋 ファミリー
庇がへこみ始めているぞ  ここがファミリー広場のはずだが、ここに来るには
中上級を通らないといけない
ホテル センターハウス
 ホテルから見られているようだ 【ここから北竜温泉ファミリー】
ちょっとレトロな響きも
 
よこはまドーナツ 北竜湖
 よこはまですか!  ちんまりしているが、この規模には十分なくらい
北竜湖 北竜湖資料館
第一ゲレンデから第二へは下り坂。
スノートレッキングの団体が登ってきたぞ
 北竜湖資料館があったが、冬期閉館だ
冬の北竜湖 文化北竜館
 ハート型の北竜湖だが、全面凍結だ 文化北竜館。結構いい施設だ 
北竜湖スキー場 北竜湖
  千曲川の対岸を見ながら滑る   第二ゲレンデはこの1枚だ
北竜湖 北竜湖
  第二ゲレンデを下から。
安定した緩斜面で、初心者にはいい
 文化北竜館の通路に並ぶ資料
(コレクション?)
 
北竜湖 北竜湖
  スキー資料館としては定番だ   文化北竜館はこんな体育館まであって、びっくりだ
北竜湖 北竜湖
第一に戻るゆるい上り坂 ロープトウといいつつ、ワイヤにクラックをかますTバーだ
北竜湖 そば源
 第一ゲレンデのリフトから、ポールコースを見下ろす 飯山市のそば屋、源だ 
おでん  
 おでん1品50円、野沢菜は無料だ  
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【ギャラリー】  
北竜湖スキー場
 千曲川対岸の景色を見ながら。川に向かって落ちて、さえぎるものが無いので、目の前に連山が左右に広がる
 
スキー
 北竜湖は第一と第二では客層が全く異なるうえ、別スキー場のように分断されているので、どちらかにしよう。また、まる1日いると飽きるので、半日にして、飯山市の観光をくっつけてもいいだろう。
 管理人の「スキーの聖地・飯山市訪問記」はこちら!
スキー

 斑尾サンパティック
 北竜温泉ファミリー
 文化北竜館
 信州いいやま観光局
 そば処 源
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