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妙高 杉ノ原

   新幹線ができたら
 雪だるま 2014年レポート(1)
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 2014年のシーズンは、私的には会社を立ち上げて13年12月に事業を開始したため、とんでもない忙しいシーズンだった。それ以外に、13年1月にこのサイトをご覧になった長野県飯山市の市長から依頼を受けて、2015年春の北陸新幹線飯山駅開業に向けたスキー場振興策に関わることとなった。そういうわけで、基本的にはスキーに行くことは断念していたのだが、どうしても1回は行かなければならないことになった。その理由は・・・

 スキー場振興についてはいろいろ提案したのだが、2014年シーズンでの振興策は事前調整などもあり、時間的に間に合わないものが多かったので、せめて共通リフト券の改善だけはとお願いしていた。それが下のクーポンとなった。
スーパーバリューチケット  
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新幹線飯山駅の開業で恩恵がある9市町村が集まり、「信越自然郷」という名で連携したものだ。野沢温泉、戸隠、斑尾、黒姫などの北信や、志賀高原、竜王など志賀、そして新潟の妙高までが含まれた共通リフトクーポン券だ。5枚つづり2万円で、1枚あたり4000円だが、内容はだいたい5000円になっている。まあ、このあたりはよくある話だが、最大の特長は「使い残したら、地域の特産品と交換できる」ということにある。東京の利用者から見てこういう前払いクーポンの怖いところは、自分や家族の病気だの不幸だの、仕事の都合など、何らかの事情でシーズンを棒に振ってしまった場合、全額がパーになることだ。だから余らせたときの保険があれば、安心して買うことができるだろう。
 本当は、外人客のように「長期滞在して5枚使うつもりで買ったが、疲労だの悪天候だので1日は使わない」という場合を考えて、そういう日は1日日帰り観光などに流用できるようにお願いしたのだが、これは調整が間に合わなかったようだ。
 そうこうしていたら、シーズン始めに「できました!」と1つづりプレゼントされてしまった。1回も使わずに全部特産品と交換なんて許されるものではあるまい。うーむ。そうしたら、1月末に振興策に携わる委員の会合が信州中野であったので、せっかくだから翌日、スキーに行くことにした。場所は・・・最初に行ったときにガスっぽい中を滑った妙高杉ノ原にすることにした。
 

妙高 杉ノ原スキー場
 
0255-86-6211


妙高杉ノ原 地図
妙高 杉ノ原スキー場
(Webを加工)
妙高杉ノ原
天気はよくない
スーパーバリュー クーポン  
 これがそのクーポンだ  
ロッカースキー  
 どれにしようかな  
妙高杉ノ原  
 浅いパウダーのコース  
妙高杉ノ原
脇の雪だまり
妙高杉ノ原  
 あえてパウダースキーを使うほどでもないが
 
 
妙高杉ノ原  
 高速で飛ばしたいなあ!  
  前日、委員が集まり、懇親会のあと、委員のひとりが経営する、斑尾のペンション「ぶ~わん」に宿泊。斑尾は昨年滑ったばかりだったので、目の前にスキー場があるというのに、雪道の山を下りて50分ほどで妙高に到着した。

 妙高といえば、何と言っても「ロングコース」だろう。標高差が1000m以上あるスキー場は日本には5つしかない。
・かぐら      1225m(1845-620)
・妙高杉ノ原    1124m(1855-731)
・野沢温泉     1085m(1650-565)
・竜王スキーパーク 1080m(1930-850)
・白馬八方尾根   1071m(1831-760)


最大はかぐらの1225mだが、途中に漕ぎたくなるようなダラダラ斜面が長く、野沢はリフト駅やコース幅のため、1本のロングコースという感じが薄い。竜王は上部と下部を結ぶコースは狭いコブ斜面だけで、全く一体感がない。だから、適度な斜度の長さが続く、ということでいえば1位妙高 2位八方というところだ。八方に比べて弱いといえば、東京や大阪からの遠さと、東南斜面なのでシーズンが短いことだろうか。2014年シーズンも3月30日で終了だ。

 なにはともあれ、リフト券売場へ行き、クーポンを提示。すんなりと1日券を手に入れることができた。通常の1日券(4300円)以外に、700円相当の「場内ご利用券」をもらう。これはレストラン、レンタル、スキースクールで利用することができる。
 今回の最大の目的は、パウダースキーを体験することだ。レンタルコーナーへ行き、先ほどのご利用券を使って借りることにした。
 
 ゴンドラに乗車、平日だからすいている。前回来たのは20年近く昔だが、月曜日だったのでやはりすいていた。ただし、前日の日曜日はゴンドラ50分待ちだったと聞いてぞっとしたものだ。こういう広々としたスキー場でリフト待ちなんかしていたら、えらく健康を害するだろうが、昔はこれに高速渋滞までセットだったのだ。とにかく、すいている時を狙おう。天気はスカッとしているわけではないが、前回は降雪だったので、ずっとましだ。
 と、ゴンドラを降車して驚いた。なんと、この上の最高地点に行くクワッドが運休なのだ。これじゃあ、せっかく日本屈指の標高差を堪能できないじゃないの。標高差にしてあと300mちょっとを失ったのだが、ハイクアップする元気があるわけないので、瞬時にあきらめて、滑り出すことにした。
 まずはゴンドラ下の白樺コースを。雪は降りたての平日なので、手抜きか、わざとか、圧雪車はあまり入っていない。コースの脇あたりは20cmくらいの新雪だ。滑ってみると、やはりパウダー用の板は浮遊感は強い。初めてこういう板を履いたのは、カナダでヘリスキーをした時だが、当時はカービングの板すら無かったから、なんだかカマボコ板を履いているような感覚で回しづらかった記憶がある。この板も太さがあまり変わらないけれども、違和感が少ないのは、私の目が太さに慣れたせいか、板の性能そのものがよくなったからだろう。
 本来、このパウダー板が本領を発揮するのは、上部のモーグルコース周辺のような、最初から非圧雪のバーンではないだろうか。このゴンドラ下のコースは、北海道のような直線的で斜度が20度程度の快適なバーンなので、20cmくらいのパウダーを探すよりも、圧雪してもらったところをパラレルで飛ばしたくなるのだ。
 次に三田原ゾーンと呼ばれる、以前は「妙高国際」と呼ばれたエリアを滑る。こちらも、圧雪されていたら、北海道のような、すばらしいロングコースであっただろう。視界があまりよくないのはいいとして、コース脇には多くの廃墟となった建物が野ざらしになっていた。昔は大勢の利用客であふれていたんだろうなと思うと、「国破れて山河あり」の境地だ。
 2つのロングコースを数本ずつ滑ったが、ゴンドラコースのみだったら、パウダー用の板のレンタルは大げさだろう。普通にパラレルで飛ばすのがいい。
 12時にはあがって、近くの杉野沢温泉、苗名の湯に入る。ここはなかなかいい湯だ。遅い昼食をとるころには青空が広がり始めやがった。優美で特徴的な曲線の黒姫山が間近に見えた。スキー場に戻りたくなる衝動を感じながら、ICへ向かった。

高速道路が開通して、長野五輪以降は東京圏から近くなったはずの妙高だが、客が減少しているのは、スキー人口の絶対数が減少していることが大きい。しかし外国人の急増で息を吹き返しているスキー場もあるし、来年春の新幹線開通の効果をどう生かすか、重大な局面にあることは間違いないだろう。この日本トップレベルの斜面をなんとか守ってほしいところだ。
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妙高杉ノ原 妙高杉ノ原
斑尾のペンション ぶ~わん だ 駐車場はガラガラだ
妙高杉ノ原 妙高杉ノ原
いい感じだ  こういうの、晴天時にあるといいね
妙高杉ノ原 妙高杉ノ原
 新潟だから、こんなのもある 撮影ポイントだ 
妙高杉ノ原 妙高杉ノ原
 おしゃれな建物だが、閉鎖され、窓にはカーテンが  こちらは崩壊が始まっていた  
妙高杉ノ原
 子ども向けコースらしい  これも子供向けだ  
杉野沢温泉 そば
スキー場は「杉ノ原」だが、地元民宿街は「杉野沢」
であり、温泉センターは「苗名の湯」という
 黒姫のそば屋「たかさわ」
空は晴れだしていた
そば そば
 天ざるそばは1500円。
とてもおいしかったです
店内の風景 
妙高杉ノ原
  クーポンのポスターがあった   
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スキー
 クーポンの残りは地元名産品と野菜に引き換えとすることにした。余った券を指定の窓口に郵送するだけでいい。
後日、瓶詰の名産やらきのこやら、日を分けて野菜までどっさり送られてきた。まだまだ改善の余地はいっぱいあるし、他では見られないサービスを開拓していくことになると思う。
 新幹線が富山まで開業するのは2015年3月14日予定で、北信越のスキー場が来シーズンに恩恵を受けるには半端な感じだが、その後を見極めるうえで大切なシーズンになるだろう。読者から要望や改善案などあれば、観光局またはこのサイトの管理人まで直接お願いします!
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