陸奥湾を包囲せよ | |
2012年レポート(4) 青森-2 | |
今日はむつ市の釜臥山(かまふせやま)を滑ってから、野辺地(のへじ)まで戻ってまかど温泉スキー場、そして夜越山(よごしやま)を滑ったあと、最後にモヤヒルズを滑って青森空港から帰京だ。 初日のレポで話した通り、私は今回の青森遠征は「海を見ながら」がひとつのテーマになっている。初日は八甲田、七戸で見ることができて、釜臥山はナイターだった。しかし今日はすべてのスキー場で見ることができる。本州でこれだけ堪能できるのは青森県くらいだから、せわしないけど頑張りますか! |
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八甲田スキー場 017-738-0343 |
釜臥山スキー場 (スキー場の看板を撮影して加工) |
一番下のリフトはペアだがローディングカーペットのあるいいものだ。子供を意識してだろう。それよりも、山の上は雲がかかっていて、ちょっと心配だ。 ところがペアリフトを降りた時点で、きれいに海が見える。おおっ、雲は山の上だけのようだ。崩れないうちに最高地点までいかなければ! のんびりしたシングルに乗り換えて展望台に近い、最高地点を目指す。 振り向くと、高度を増すごとに景色がよくなっていく。すばらしいではないか。そして最高地点から見下ろすと、今回の最大の目的であった景色が広がっていた(ガスはちょっと上から始まっていて、スキー場にはかかっていなかった)。 陸奥湾は湾とはいえ、とても広い。それと昨夜は夜景を見損ねたむつ市が、言われてみれば確かに蝶の羽のように眼下に広がっていた。夜景だともっとはっきりとした形になるんだろうなあ。斧のような下北半島の柄の部分にあたる、長い海岸線がずっと伸びていて、青森市らしきものが霞んだ感じでよく分からないが、それが逆にこの陸奥湾を湾ではなくて大海のように見せている。いや、まさしく海だ。手前の海岸線はと見ると・・・なんと、大きなモノモノしい船が何隻も浮かんでいるではないか。 ここむつ市は、高齢の人には「大湊」と呼んだ方が通りがいい。旧帝国海軍の軍港があった場所で、無線通信も含めると、真珠湾攻撃やミッドウェイ海戦その他多くの戦いに関わった歴史があり、今でも海上自衛隊の基地がある(海上自衛隊大湊地方隊)。そういうわけで、単に海を見ながらというだけでなく、イージス艦を目前に見ながら滑ることができるというオマケもついているのだ。 コースの性格も、ちょうどリフトで二分される。上部のシングルリフトのコースはある程度の強い斜度で滑ることができるのと、とにかく港の景観と海がきれいだ。下のペアリフトコース脇は海の広がりは狭まるものの、ちょうど海に突っこむようにしてまっすぐ滑ることができることと、斜度そのものはやさしすぎず、かといってスピードが出るようでもない中斜面になっている。 ところでペアリフトに乗っていると、昨夜は暗くて気づかなかったが、左側にジャンプ台みたいなものがある。よく見ると、ジャンプ台みたいな、じゃなくて、ジャンプ台そのものだ。使われていないのか、雪をのせっぱなしだ。さらによく見ると、でっかいスキーの板の形をした碑になっている。おおっ、これは面白そうだ。リフトを降りて、できるだけ近づいてみた。 すると、この巨大な碑に書かれていたのは、「雪艇弥栄」という文字だった。いろいろ調べたら、「雪艇」とはスキーのことで、「弥栄」とは「万歳」のこと。ドイツ語で、「スキー万歳」を意味する「シーハイル」という言葉を直訳したものらしい。この「シーハイル」という言葉はオーストリアからスキーを学んだ日本のスキー学校には知られた言葉で、時々文献で目にすることもある。浦佐スキー学校も、昔はレッスンが終わるたびに、教師と生徒が輪になり、片足の板を雪面に突き刺して立てて、「シー・ハイル、シー・ハイル、シー・ハイル・ハイル!」と大声を上げてシメとしていたから、昔はそれを強引に和訳していたのではないだろうか。 それにしても、ここは標高が低いので、本当に海に突っこむようにして滑ることができる。大変すばらしいスキー場であり、こういうスキー場を紹介していくのもこのサイトの使命じゃないかという気もしてきた。 予定よりも長くいて、名残を惜しみつつ、11時ごろ野辺地へ向かって出発した。 |
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国設まかど温泉スキー場 (Webを加工) |
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まあまあ客数はいるようだ。最初の長いリフトに乗ると、背後には海が・・・ちょっとガス気味に・・・だけど、見えるだけ贅沢というものだ。リフトを降りたら、少し滑り降りた先にもう1本のリフトがある。ここは最高地点というよりも、ただ奥に入っていったというだけで、海を見るなら1本目のリフトのコースの方がいいだろう。レイアウトをみていただければ分かるが、黒姫スキー場みたいに、最初は広いが2本目のリフトのところは狭いクネクネコースで、手前の樹木がじゃまをしてよく見えない。しかしそれだけに、下のゲレンデに出てきたときに広がる海岸線はインパクトがある。晴れていたら、もっとよかっただろう。それでも、下北半島の、むつ市につながる海岸線がスーッと伸びているのを見ると、ここが陸奥湾なのだということがよく分かる。とても開放的で、好きになれそうなスキー場だ。時間が無いので、リフト券2枚、つまり上から下まで1回滑って次に行くことにする。 |
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夜越山スキー場 (Webを加工:赤いコースは初級者、黄色は中級) |
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とにかく客がまばらだ。リフト係がやる気をなくして運行を切り上げたりしないうちに、とにかく最高地点に行くことだ。リフト1回券を2枚買ってみたが、1枚でもよかったかな。ちんたら登って、海をみたら・・・おお、さっきと似ているが、右手の下北半島は見えなくて、左手にちょこんと出た夏泊半島が見えるではないか。標高が低いので眼前に迫る、というほどではないのと、最初に釜臥山を滑ってしまったものだから、インパクトが弱くなってしまった。す、すまん、でもこれだけすいているのはいいことだ。ぜひ、営業を続けていってもらいたい。 |
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モヤヒルズスキー場 (Webを加工) |
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三角形のおむすび山を見ながら、ペアリフトに乗り換えた。15時30分には最高地点に到着したから、まあまあ、楽勝か。景色はといえば、おおっ、青森市が広がり、その先に陸奥湾が翼を広げているではないか。実に美しい。夜景になったら、もっときれいなんだろうな。大都市とスキー場は離れている場合が多いから、都市の夜景を見るナイタースキーといえば札幌や旭川を別にすると、限られてしまうんだろうな。バンクーバーの夜景を見ながら滑ったグラウスマウンテンは別格だが、この青森の夜景もいつかもう一度来て見てみたいものだ。また、全景ではないが、山の裏手を見ると八甲田山系が広がっていて、その半分くらいを見ることができる。おお、白くて美しいではないか。それにしても青森は景色で言えば東北随一だろう。ゴンドラなどで豪快に長距離を滑るとなると大鰐など限られてしまうが、地方としての強みを生かして、存続していってもらいたいものだ。 さて、ベース側に降りようとしたら、なんと、子供が二人、茫然としていた。一人が、「どこか回り道はないですか」と聞いてくるのだ。おい、逃げ場のない上級コースに紛れ込んでしまったのか。もう一人の子は初心者らしく、だめみたいなようだ。地図では黒い上級コースのみで、分岐は無く、いやでも急斜面を滑らないといけないことになっている。ううむ、普通なら、すこしずつずり落ちるように滑らすしかないだろうが、今の私には時間が無い。飛行機だから、シャレにならんのだ。結局、この下から丸見えのバーンを板を横にして一段ずつ降りていって、それを見たパトロールが飛んでくるのを期待するしかないだろう。ちょうど夕暮れっぽくて、客は少なく、思いっきり目立っているからだ。すまん、とにかく今日中に帰るしかないのだ。まあ死にはしないだろうから、いい経験だと思って、今後はコース選定を慎重にやるように習慣づける糧としてもらいたい。 滑り降りると、車に板とブーツを放り込み、スキー場を後にした。途中で給油し、なんとか時間通りレンタカーを返却、着替えて無事に機上の人となった。 今回の青森遠征によって、青森県のかなりのスキー場を制覇したことになるが、海を見ながら滑るというテーマでいえば、なかなか成果があったと思う。日本には小さくても、なにか特色のある面白いスキー場がまだまだあるものだ。 |
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斗南藩士とは会津藩の士族で移されてきた人たち | 売店レストランもある |
ローディングカーペットだ | どこかあやしい |
このコースは海に向かって滑るコースだ | シングルリフトの左側、閉鎖だって |
これがシングルリフト | こりゃあ閉鎖だろうなあ |
シングルリフトを降りたところ。 素晴らしい景色だ |
空から見下ろしているようだ |
むつ市もいいぞ | いいコースだ |
さっそうと滑ろう | このあたりはやさしいコースだ |
イージス艦だ | 最高地点から展望台を見上げる |
いいねえ | まるで離陸のための滑走路のようだ |
洗濯物を干すのも便利だ | すごい風景だと思いませんか |
正面レストハウスだ | 途中ドライブインにあった「ホタテ観音」だ |
【ここから野辺地まかど】 ズリ落ち防止だ |
動脈のペアリフトだ |
標高は低いが、海は見えるぞ | 【ここから夜越山】 人がいないなあ |
おいしかったです | ここから左に降りると上級コース |
上級コースから海を見る | 左側に夏泊半島が見える |
レストハウスは立派だ | フクロウがキャラだ |
海はいいなあ | 【ここからモヤヒルズ】 施設はすばらしい。四季を通じて使われる |
クワッド小屋だ | どこかで見たような |
ガウディ建築のような塔だ | グリンデルワルトのラウバーホルンを 思い出しました |
【ギャラリー】 | |
ちびっこの練習にもちょうどいい | |
海に飛び込むように滑ろう | |
とにかく、海がすばらしい | |
【野辺地まかど】 陸奥湾がみえるぞ |
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【野辺地まかど】 地元の人にはありきたりの景色なんだろうなあ |
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【夜越山】 陸奥湾と、左に夏泊半島だ |
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【モヤヒルズ】 陸奥湾と青森市だ。夜景を見たかった |
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タイトなスケジュール、特にケツが決まっている場合は、逆算してデッドラインを設けておこう。この場合、レンタカーを使うときは、スキー場の「○○空港から○分」という情報を持って、最初から計画しておこう。 | |||
釜臥山スキー場 海上自衛隊大湊地方隊 むつ市観光案内 国設まかど温泉スキー場 夜越山スキー場 モヤヒルズ |
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