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阿寒湖畔、ビラオ

      庭園スキー場
 雪だるま 2008年レポート(4) 道東-1
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雄阿寒岳
雄阿寒岳が見えてきたぞ
 2008年は山陰の時も述べたが、「遠くに行く」ことが一つの課題だった。確かに、前回の山陰でもかなり気分転換が図れたし、精神的にもリフレッシュするのが感じられたし、スキーを趣味にして良かったと思えたほどだ。特に今シーズンは身内の不幸に加えて、一番一緒にいた期間の長い部下が辞めてしまったこともあり、海外スキーには行く気にもならないし、行けない状況でもあった。「この男がいれば、私は決算前の2月でも長い休みがとれるだろう」なんて、私のスキーにとって戦略的に重要な人材であったが、私にとっては泣き面にハチであった。しかし、家でモ〜ッとしていると本当にまいってしまう。
 ではどこに行くかだが、私が狙っていたのは道東だった。前回、網走に行ったときは流氷が見えなくて斜里のうなべつスキー場を断念した話をした。今年はちゃんと流氷が来ているらしい。それにラウスというスキー場は海を眼前に、北方領土の国後島(くなしり)を見ながら滑ることができるという。さらにそのラウス、今シーズンで廃業になってしまうのだという。これはもう、行くしかないだろう。どうせなら、阿寒湖と雄阿寒の美しい箱庭のような阿寒湖畔スキー場にも行ってみたい。
 そういうわけで、道東遠征は天気と流氷がかみ合った日を狙い、3日前に飛行機とホテルとレンタカーを借りて、行くこととなった。
道東 地図
阿寒湖
阿寒湖が見えはするんだけど

 女満別(ねまんべつ)空港に降り立つ。廃業直前の津別スキー場に行くために昨年来たばかりだが、まるで昨日のことのようだ。10時過ぎに出発、津別町までは前回と同じ道を走り、やがて阿寒湖に向かって走り続ける。しばらくすると雄阿寒岳の雄姿が見えて、迫力を増しながらグングン近づいてくる。山道がなんとなく観光地風になってきたらそこが阿寒湖だ。11時30分ごろスキー場に到着した。
国設阿寒湖畔スキー場 
(Web地図を加工) 

阿寒湖畔スキー場公式サイト
阿寒湖畔 地図

阿寒湖
リフトに乗って振り返ると・・・
阿寒湖
すばらしい風景だ
阿寒湖   
レフトウイングコースの下部
 ベースからゲレンデを見上げたところ、ただのリフト1本スキー場、という感じだった。まあいいか。振り向けば、白く凍結した阿寒湖が見えるが、ここは水面と高さが同じくらいの湖畔なので全体がどんな形なのかはよく分からない。去年、津別スキー場から見下ろした屈斜路湖のような感動は無かった。さっそくリフトに乗ってテレテレ登る。ふと振り返ると、おお、すばらしい、雄阿寒岳が実に美しい。てっぺんの白い雪は富士山のようだが、雪があるのは8合目くらいまで。その下からは真っ黒に見える針葉樹林が裾野まで広がっている。中腹はモコモコした丸みがあり、また雪崩の跡のような白い線があって、黒姫山に似た感じだ。手前の阿寒湖はギザギザの星型のような形になっていて、これまた丸いだけの湖とは異なり、趣があっていい。すばらしい。リフトを降りてライトウイングコースを滑る。途中、視界が広がって雄阿寒岳、阿寒湖が微妙に重なって見える場所に出る。美しい絵になる山と、特徴的な湖がきれいにマッチした、芸術的な風景だ。小堀遠州の造作による庭園といっては大げさだが、自然に出来たものとしては不自然なくらい均整のとれたものだ。ひょっとしてこの風景を見るためにスキー場の建設場所を決めたんじゃあ・・・と思えるくらいだ。ちなみにこの堂々とした雄阿寒岳は休火山だが、このスキー場の背後にある雌阿寒岳は活火山で、プカプカ煙を吐いているのは昨年の津別レポの通りだ。
この風景、スキー場のどのコースからも見ることができる。ちょっと滑っては立ち止まるの繰り返しで、管理人の心をつかんで離さないものだった。これがリフト1本のスキー場とは思えない。いやあ、もったいない!。レフトウイングコースは山と湖がやや分離して見えるが、これもまた風情があるものだ。係員に聞いたら、昔は東京からツアーも盛んだったそうだが、今では来場数そのものが減少しているらしい。なお、雄阿寒岳の中腹にあった白い線、1993年の釧路地震で雄阿寒岳が裂けた跡だそうだ。時間が無いので名残を惜しんで1時30分ごろスキー場を後にした。
 阿寒湖温泉へ。ここにはアイヌコタンなどもあり、ホテルも多く観光の拠点なのだが、全部見て回るような時間は無い。エゾシカ丼を食べて、さらに阿寒湖に来てこれを見なきゃと「阿寒湖畔エコミュージアムセンター」を見学。阿寒湖畔を出発したのは2時10分ごろだ。いけね、急がなきゃ。でも事故を起こしては何もならない。こういう時こそ安全運転だ。2時50分ごろビラオスキー場に到着した。
ビラオスキー場 (Webガイドを加工) 
 
ビラオスキー場公式サイト
ビラオ 地図
ビラオ
ビラオのキャラだ
摩周岳
施設を見下ろす。
遠くに摩周岳が見える
ビラオ
夕日で赤く染まり始めた
ビラオは美羅尾山にあるスキー場で、まだ2時50分ごろだが、山間は日が落ちるのが早い。曇ってきたこともあり、ゆっくりと薄暗くなろうとしている。摩周湖が見えるうちに山頂に行かなくちゃ。
ここ、まいったことに1回券が無いのだ。最低でも1100円の5回券だ。うわ、そんなにいらないよ。でも仕方なく5回券を買って山頂へ。山頂からの景色は、まずまずであった。遠くに摩周岳がちょこんと頭を出していて、「ここに摩周湖があるよん」と教えてくれているようだ。ただ、昨年津別に行ったときに最高地点から屈斜路湖を見下ろしたときに遠くにこの摩周岳を見ていたし、ついさっき阿寒湖の絶景を見たばかりなので感動はいまひとつだった。ただ、ここから見る摩周岳の方が愛嬌があるものだ。
学生時代、自転車で北海道を一周したときは、尾岱沼(おだいとう:地図の野付半島あたり)のユースホステルからこの摩周湖を登り、ものすごいキツかったけど、宇都宮大学のサイクリング部の女子学生たちと一緒になった手前、弱音を吐くことができずに結局休まずに登りきったものだ。彼女らはそのまま川湯温泉に泊まったが、私は美幌峠を越えて美幌のユースホステルに泊まった。2つの峠越えを含めて120km以上走ったのだが、あのころは無茶やっていたなあ。
とかなんとか感傷的になっていると、だんだん景色が変わってきた。摩周岳には霧がかかり、いい感じだ。しかし平地は夕日が映えて黄金色に光りだした。奇妙だが美しい光景だ。隣の頂に登るリフトが運休しているためゲレンデマップの右半分しか滑ることができなかったが、十分だ。この美しい風景の写真を何枚も撮り、リフトも5本分滑りきった。弟子屈(てしかが)町はすっかり薄暗くなった。4時過ぎにスキー場を発ち、暗い根室海峡を右手に見ながら、ラウスに到着したのは2時間後だった。
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阿寒湖畔スキー場 阿寒湖畔スキー場
阿寒湖畔スキー場のリフト券売場 このリフト1本にすべてがかかっている
阿寒湖 雄阿寒岳
最上部から阿寒湖 いいねえ!
雄阿寒岳 阿寒湖
飛び込むように滑ろう 阿寒湖が美しい
キッズパーク 雄阿寒岳
おっぱいに見えるが ベースの施設と雄阿寒
阿寒湖 ロープトウの乗り方
レフトウイングコースからもいい ロープトウの乗り方の写真図解があったぞ
阿寒湖 阿寒湖 エコ
ロープトウだ 阿寒湖畔エコミュージアムセンター内部 
阿寒湖 まりも 北海道 道路
毬(まり)のような藻だからマリモらしい。
きれいに丸くなるのは阿寒湖だけだとか
北海道、こんな道多いなあ
ビラオ ビラオ
さあ、着いたぞ 右半分しか滑れないぞあ
ビラオ ビラオ
薄暗くなってきたな 向こう側に行くリフトは運休だ
ビラオ 摩周岳
北海道の景色らしい。
左奥に摩周岳が見える
摩周岳をアップで
摩周岳 摩周岳
望遠でもっとアップ 霧が出てきたが、夕日がきれいだ
ビラオ ビラオ
なぜかゲレ食内にエゾシカの剥製が 暗くなるぞ
ラウス ラウス
ずっとこんな道なんだよなあ 1泊2食でシングル6000円くらいのホテルだったが、
それでも毛ガニが出るのはラウスの意地か
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【ギャラリー】
阿寒湖畔スキー場
雄阿寒岳と阿寒湖畔のマッチングがすばらしい
阿寒湖
ギザギザの形をした阿寒湖だ
雄阿寒岳
雄阿寒岳は富士山のように見える。縦の白い線は釧路地震の爪あとだ
阿寒湖畔スキー場
ウエストウイングよりベースを見る
ビラオ スキー場
【ビラオスキー場】 左奥に摩周岳が見える
ビラオ
夕日が美しい
 
スキー
 今回の阿寒湖畔の観光は、本当はカムイコタンにも行きたかったが、ここは行った以上はだいぶ時間をとられると思った。エコミュージアムはマリモだけ見ればいいやと思ったという理由もある。そのため時間を考え、ミュージアムを選んだ。あれもこれも何でも見ようという性格は変わりようが無いが、何でも見れないときは、優先順位をつけることも旅行を楽しくするために大切だ。
スキー
阿寒湖畔スキー場

阿寒湖観光協会
まりも
ビラオスキー場
弟子屈町町役場
Goods
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