あれはオホーツク海ですか? | ||||||||||||||||
2007年レポート(9) 北見-2 | ||||||||||||||||
実をいうと私が以前勤めていた会社のシンガポール支店で支店長をしていた人が、今は北見にある子会社で社長をしていた。いきなりアポ無しだったので会えなかったが、宿泊地に北見を選んだ理由の一つでもあった。 北見といえば私は学生時代、北海道を自転車で一周したときに通過したことがある。夕方ごろだったが、いきなり眼前に東急百貨店が現れて、ありゃ、渋谷にワープしたかとびっくりしたものだ。今でも営業していたのにはホッとした。北見は北海道北部では旭川に次いで二番目に大きな都市だが、夕方7時には商店街もみな真っ暗になっていて(現在の私の勤務地の六本木は賑わい出す時間だが)、これもまた遠くに来たことを実感した次第だ。 ところで、今回の遠征のテーマは「流氷のオホーツク海を見ながらスキーとしゃれこむ」であった。斜里というスキー場は海を眼前に滑ることができるという。ところが暖冬が決定的となった今年は流氷がなかなか南下してこないという。たとえ現れてもちょっと南風が吹くとパッと見えなくなってしまい、遊覧船による流氷見学ツアーはまいっているらしい。で、私は数日前から何度も電話していたのだが、ここのところさっぱりだという。今シーズンはあきらめようかと思ったが、津別が廃業しそうだったのでとりあえず網走湖を眼前に滑ることができる網走レイクビューでがまんすることにした。そうはいいつつ、未練がましく当日朝も奇跡を期待して電話してみたがダメらしいので、メビウスのあとはおとなしく網走レイクビュー+網走観光でいくことにする。 |
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北見周辺の地図(Yahoo!地図を加工) |
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メビウス スキー場コースガイド(航空写真を加工) メビウスの公式サイトは無し! |
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さて、まず午前中は北見郊外のメビウスに行くことにする。事前の調べではなかなか設備はしっかりしているみたいだし、以前の会社で北見支社の人から「いいスキー場ですよ」と聞いていたし、どんなものだろうか。 車ですぐに到着。見てみると・・・シマシマの建物がドンとあって、その向こうにはいかにも「スキー場向きです」という感じのなだらかな山があって、リフトが2本きっちり架かっていた。設計コンセプトは明快だ。すべてのコースへ滑り込める山頂にただ1つのクワッドでアクセスできるようにし、大回りで降りてくるのが初級者、直線的に降りてくるのが中上級者という分かりやすいレイアウトだ。ある意味、たった1つのリフトだけで多彩なバリエーションのコースをカバーするという、とても効率的なスキー場で、最近閉鎖された秋田の森吉スキー場にも似ているといえる。 センターハウスは非常に立派だ。リゾートホテルと合体しているだけに、なかなかのもので、2階へあがるには吹き抜けをブーツを履いたままエスカレーターであがるところなんか、ちょっとおしゃれだ。 それにしても賑わいはあるようだ。よく見ると今日はポールが張ってあって、レース大会があるらしい。さっそくリフトで山の上に登ってみる。 眼下には北海道特有の景色が広がっていた。平地部分は広々としていて木が少なく、物差しで引いたような道路がタテヨコに伸びていた。本州でこのような景色の場所は標高が低すぎてスキー場に向かない場合が多いのだが、ベース標高が100mも無いのに(90m)スキー場が成立してしまうのは北海道の実力だろう。 しかしリフト降り場から20mに渡り、出店を広げるようにスキー板の準備をしている人たちにはこんな景色は目に入らないはずだ。それにしても子供が1本滑るのに直前に簡易な台を立ててまでしてワックスのスクレーピングをやっているのを見ると、その気合の入り方が尋常でないことが伝わってくる。江戸っ子でいうところの祭りの日のようだ。かといってあまりシリアスな大会ではなく、女の子を含めた子供が多く、他には身体障害者のチェアスキーなどもあったようだ。しばらく大会に見入ってしまった。 ビオラとピッコロは大会で閉鎖されていたので、ホルンとクラリネットを滑った。 さて、網走へ行ってみるか。 |
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網走レイクビュー スキー場コースガイド(Webパンフを加工) 網走レイクビュー 公式サイト |
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なぜ数あるロコスキー場の中でも網走レイクビューを選んだかというと、行く以上は小さくてもそれなりに意味のある(特色のある)スキー場に行ってみようと考えたからだ。ネットで探していたら、網走レイクビューは湖を眼前に滑ることができるという。地図を見ても本当にその通りだ。移動ルートとしても無駄がないし、こりゃあきっと爽快だろうということで行くことにした。 ところが私は当初、湖を見ながら滑ると聞いて、青木湖や田代湖のように青々とした水に向かって飛び込むように滑るものだとイメージしていた。しかし、湖面が真っ白では広い畑や牧場みたいで、「みずうみ感」みたいなものが無いだろう。シマッタ、失敗したかなあ。 不安を抱えたままスキー場に到着した。車は数台で客は少ないようだ。センターハウスも人が少なく、本当に場末のスキー場という感じだ。ただスノーボードの検定があるらしくて10人くらいのかたまりが見えるくらいだった。 なにはともあれ、リフトに乗る。途中で振り向くと、やはり湖は凍結していて真っ白だった。あれが青々とみえるころはスキー場は閉鎖だろう。リフトを降りると目の前には円柱型の建物が見えた。これは山頂ロッジらしい。と、その向こうのどんよりとした雲の下に青々としたものが広がっているではないか!。ありゃ、あれは網走湖か、いやそんなはずはない、サイトには何も書いていなかったけど、あれこそオホーツク海ではないだろうか。思わず振り返り、リフトの係員に向かって「あれはオホーツク海ですか!?」と聞いてしまった。係員はあまりにも意表をついた質問にびっくりし、宇宙人に出くわしたような顔をして一瞬のけぞった。「は?はぁ、そうですよ」オホーツク海でなかったら、何なんだという回答だった。ただ、私には流氷が見えなかったとはいえ、オホーツク海が見えたことが無性にうれしかった。望遠レンズではるか対岸を見ると、斜里のスキー場が海に向かってコースをのばしているのが見える。ということは、左に広がる陸地が知床半島か。このスキー場に海側に伸びるコースがあったらどれだけ楽しかっただろうか。とはいえ、眼前の網走湖よりも山の裏のオホーツク海の方が胸にズシンと来るものがあった。 スキー場のコースそのものは特に特筆するほどのものはないが、「自分は日本の端まで来て滑っている」という実感が得られたことに満足できた、ささやかな思い出のスキー場になるだろう。その後博物館網走監獄や北方民族博物館を見て、網走市の網走刑務所(実はみるべきものはほとんどない)へ行き、海の近くで食事をしてから女満別空港へ行って飛行機で帰京した。思い出深い北見遠征だった。 |
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主力は右のクワッドだ | 正門は角っこにある | |||||||||||||||
2階の様子。レストランは 韓国語や中国語に対応していたぞ |
吹き抜けの様子。 ショッピングセンターみたいだ |
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オープンな作りだが、なぜかリフト売場だけは 係員の顔が見えないくらいガードされていた |
いろいろ見てきたけど、 こんな鐘は初めて見たなあ |
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音楽的教養が無い私は、間違えそうだなあ! |
こんな台が流行っていました |
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センターハウス(左端のシマシマ)は ホテルメビウスと合体している |
チェアスキーの部だ |
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クラリネットの中斜面 |
緊張感が伝わってくる |
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名前だけでも、すごそうな子たちだなあ! |
女の子だが、なかなかうまかったぞ |
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ちっちゃいけど女の子です |
しかし、うまいなあ!。 スピードを恐れていないのがいい |
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要塞のようなホテル外観だ |
「死ぬどー」は方言でしょうか? |
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【ここから網走レイクビュー】 地面はむき出しだ |
英語、中国語でも書かれているのに注目 |
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過去の忘れ物を並べている |
コースから見て、4枚でいいかなあ |
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期待薄なリフト風景だが |
円形の山頂ロッジ。その裏には・・・ |
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はるか遠くに斜里のスキー場が見える (望遠レンズ) |
網走湖がよく見える |
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なかなか広い湖だ |
スノボ検定、じゃましないように・・・ |
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凍結した網走湖。 氷が厚く押し寄せている |
網走刑務所近くの公衆電話ボックス |
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網走駅前の原住民モヨロ人の像だ |
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【ギャラリー】 | ||||||||||||||||
メビウスのホルンコース上部からホテルメビウスと平地を見渡す | ||||||||||||||||
網走レイクビュー最高地点からオホーツク海をはさんで知床半島を見る。 ちょうど正面に斜里のスキー場が見える。あそこなら海に飛び込むように滑ることができる |
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典型的な網走レイクビューの景色。 ただし、白くなったレイクビューだ |
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近くに「博物館 網走監獄」があるからぜひ行ってみよう。見せ方はかなり工夫されているので、勉強にもなる。網走刑務所で記念写真を撮るよりもいいだろう。 | ||||||||||||||||
スキーメビウス(スノーバラダイス北海道) 網走レイクビュー スキー場(公式HP) 北見観光協会 網走観光協会(公式HP) 博物館網走監獄 オホーツク流氷館 |
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