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津別

      「やっちゃった」スキー場
 雪だるま 2007年レポート(8) 北見−1
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 私が行ったことが無くて3月に休みが取れたら行ってみたいエリアといえば、それはオホーツク側のスキー場だ。なぜかというと、ここには「津別」という、ゴンドラ級のスキー場があるのだ。ただしプリンス系であり、リストラの真っ只中にあって、廃業の最有力候補と聞いており、来年では遅いかもしれない。また、コルチナで会った夫婦が斜里というスキー場で流氷を見ながら滑ったと聞いた。ううむ、無理してオホーツク側に行く意味はないのだが、流氷を見ながらスキーなんてのもステキではないか。そして津別の件もあることだし、こりゃあ行かないわけにはいくまい。安く行く手立てができたこともあり、1泊2日で行ってみることにした。
 飛行機で女満別(ねまんべつ)空港へ。ここからレンタカーで津別スキー場に向かう。途中、広々とした景色が広がり、目の前の道路をキタキツネが横切ったりして、思わず「(北海道に)来たなあ!」とか叫んでしまった。ほどなく津別スキー場に到着した。

北見周辺の地図(Yahoo!地図を加工
北見地図
北見地図

      
津別スキー場コースガイド(Webパンフ)を加工
津別スキー場公式サイト(廃業)

津別スキー場
津別 スキー場
最下部の斜面は急だなあ
津別 スキー場   
左の富士山みたいなのが雄阿寒(おあかん)。
雌阿寒(めあかん)は右の白い山
屈斜路湖
屈斜路湖を見下ろす。
ただし右半分だけだ
斜里岳?
遠く斜里岳が見えるが、木がじゃまだ
 
津別 スキー場
ゴンドラ脇のメインコースは非常に長いが、カービングのヌケを
楽しむには斜度が弱い
 さて、1日券3,200円を買うよりも、先に食事をしてから12時からの午後券2,600円を買うことにした。そういうわけでいきなりレストラン「アリエスカ」に入る。ええと、ここの名物は・・・なんと、ホワイトカレーというのがあるぞ。屈斜路湖のプリンスホテルのシェフが関わっているらしい。そう、このスキー場は最高地点の裏側に屈斜路湖が広がっているのだ。そして屈斜路湖のプリンスホテルとセットで開発されたスキー場のようだ。
 ただしホテルから津別スキー場へは峠を回りこまないとアクセスできないうえ、その道路は冬期は閉鎖だから、大きく美幌〜津別経由でないと来れないという、おかしな組み合わせになっている。そのためホテルからのスキーツアーでは摩周湖との中間にあるビラオスキー場に案内していたりするから何やってんだという感じだ。
 時間になったのでゴンドラに乗車する。プリンス系の駅舎、ゴンドラの車体は全国共通でいい。しかし乗っていて心配していたことが現実のものと分かった。途中はかなりのダラダラだ。なぜかプリンス系には「ゴンドラは長いけどダラダラよん」の手合いが多い。もちろん、「富良野」「雫石」「妙高杉の原」「焼額山」「苗場」のようにゴンドラ級に見合う斜度と距離を持ったコースがあるスキー場もあるが、「函館七飯」「鯵ヶ沢」「千畑」のような弱くて長い斜面にもゴンドラを架けるし、「かぐら」「阿仁」は途中で上り坂があったりして、漕がないと進まないからボーダーには地獄みたいなスキー場もある。この津別は3番目のグループのようだ。どうしてこんな地形にスキー場作っちゃったんだという印象がある。
 さて、降り立ってみたら・・・。おお、遠くにカッコイイ山が2つ、見てくれと言わんばかりに並んでいるじゃないか。これこそ雄阿寒(おあかん)、雌阿寒(めあかん)の2つの山で、ここからは見えないけどマリモで有名な阿寒湖に隣接している山の上部が飛び出して見える。特に雌阿寒はかわいい煙がポッポと出ていて、愛嬌があっていい。ううむ、すばらしい。で、屈斜路湖はどこかというと・・・。ちょっと登らないと見えないようだ。板を置いて、最高地点まで5mくらい登ってみる。すると、山の裏側では屈斜路湖が眼下に広がっているのだ。この屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖(火山活動でできた盆地に水が溜まってできた湖)であるのだが、カルデラの広さそのものも阿蘇山(よく世界一と豪語されているが)より大きい日本一になっている。
 ところでここでがっかりしたことがあった。湖の一部が最高地点付近の木に隠れていて、一望できないのだ。この屈斜路湖の景観こそ津別スキー場の持ち味ではないだろうか。ちゃんと階段を作って最高地点に誘導するとか、見やすいように近くの木を伐採するとか、あるいは展望台を作るとかやるべきだろう。そこで自然保護がスベッタコロンダ言うのなら、最初からスキー場造成のための伐採などやれたもんじゃないはずだ。肉眼で見るときはいいが、いざ撮影しようとすると木が邪魔して湖がなかなか全部収まらず、どこか中途半端なマーケティングをやっているなという感じだ。とりあえず何枚も写真を撮って、滑ることにした。
 途中のダラダラ坂を見せられてはとても滑る気にならない。上部のチャンピオンコースを滑る。ううむ、ここはまずまずのいい感じだ。しかしロマンスリフトはのろいし、乗車中はあまり景色がいい方を見ているわけでもないので退屈になる。リフト上でも写真を取りまくっていたイタリアが懐かしく感じられた。で、ためしにゴンドラコースを滑ってみたら、やっぱり途中はボーダーが棒立ちで固まってしまうようなコースがあり、これじゃあボーダーは上ばかり滑ることになるだろう。たとえ斜度を確保していても、あまりにユルいのが長きに及ぶとスピードが無くなり、漕がずにはいられなくなるものだ。憶測だが、津別スキー場ができたのは15年前なので、当時はスノーボードがほとんど無くて、平坦でもストックで漕げばなんとかなるだろうと思っていたのかもしれない。津別は、スキー場としてはせっかくの素材に恵まれながらも、どこか開発コンセプトが半端で力を出し切れていないという気がする。
 午後3時過ぎにはあがることにした。一路北見へ。翌日はメビウスと網走レイクビューだ。

【後日談】
そう思っていたら、3月23日、プリンスホテルは「深川」「森吉」「千畑」「三国」「日光菖蒲ヶ浜」「ごりん高原」、そして「津別」などのスキー場の廃業を発表した。私が行ったことがあるスキー場が一気に7つも無くなるのは悲しい限りだが、行っておいて良かったという安堵感も残った。屈斜路湖の情景は私の記憶とこのサイトの写真に残ることだろう。
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女満別 津別 スキー場
女満別空港だ なだらかな山だなあ・・・
このあたりでキタキツネを見た
津別 スキー場 津別 スキー場
一番下だけ見ると
いい感じだが
この作りは典型的な
アリエスカだ
津別 スキー場 津別 スキー場
北海道限定コーヒー。
地域の水使用のことかと思ったら、缶のデザインだと
こんな傾斜がずっと続くので
不安になった
屈斜路湖 摩周湖
ああ、木がじゃまだ、
枝をはらってくれ
カムイヌプリは摩周湖のすぐ脇にある
雄阿寒 雌阿寒
こちらは雄阿寒のアップ 雌阿寒はモコモコだ
津別 スキー場 津別 スキー場
のんびり行きますか 直滑降だけでも降りられる
津別 スキー場 津別 スキー場
最後だけ、いい感じ。
見えるのはアリエスカ
デコボコのウェーブコースだ
津別 スキー場 津別 スキー場
チャンピオンコースも
最初はこんな感じだ
ただの休憩室だ!。
ついこの間の山形遠征の黒伏高原にもあったなあ!
津別 スキー場 津別 スキー場
係員の休憩室?
いえ、普通の休憩室です
暖房の操作は客がやる。
これが道産子流だ
津別 スキー場 津別 スキー場
チャンピオンお下のリフト乗り場
 
ジャンプを次々に飛ぶ。
 おい、間隔あけないと危ないぞ!
津別 スキー場 津別 スキー場
ジャンプ台は多かった
 
比較的よい斜面。ただし、幅広は最下部以外は
ほとんどないので初心者ボーダーにはつらい
津別 スキー場 津別 スキー場
ボードを履くときのいす。
あるだけでもありがたい
 
幅広、中斜度は最下部がいいい
 
   
【ギャラリー】
雄阿寒と雌阿寒
左の富士山みたいなのが雄阿寒(おあかん)、右の白い山が雌阿寒(めあかん)。
その間に阿寒湖があるはずだ
屈斜路湖と摩周岳
最高地点から山の裏の屈斜路湖を見下ろす。
左の白い山が斜里岳だが、木がじゃま。そのちょうど下の湖のところに中島の一部が見える。
屈斜路湖
上の写真の右側の部分を望遠で。
ちょこんと飛び出している山がカムイヌプリ(853m)で、その足元に摩周湖がある。
手前の湖の中の島は陸地とつながってしまった湖中島で、和琴温泉がある
津別
典型的な津別のコース。それほど広くないゆるめのコースがずっと続く。
快適なカービングを楽しむには物足りない
 
スキー
ホワイトカレーこれがアリエスカのホワイトカレーだ。普通の白米だったら、視覚的影響でまずく感じていたかもしれない。
 実際に食べてみると、なかなかおいしかった。
 ホワイトカレーは札幌プリンスの総料理長が新富良野プリンス勤務時代に発案し、北海道じゅうに広がったものらしい。他のプリンス系で出されるかもしれないので、あったらためしてみよう。
と、思ったら、なんと関越自動車道の上里SAでキャンペーンをやっていて、食べることができるぞ。たしかめてから行ってみて。
(2008.3.31まで)
スキー
津別町HP
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