ソルトレイクシティ(2日目:スノーバード)
   

  

 道楽もここまでくれば

       
1日券は$57だが、前売り(市内のみ
で販売)だと$49で、バスも無料だ
 
これがそのバスで、サイドに
板をのせることができる
くせもののコインロッカー。
6カ国語(日本語含む)に対応
新穂高ロープウェイの
ようなかんじだ
125人乗りのロープウェイだ
 
ベースに向かって滑り出す
  
 今日はいよいよ滑る日だ。行く場所はスノーバードという、ソルトレイクを代表するスキー場のひとつだ。
 このスノーバードというスキー場はテキサスの石油王、ディック・バスという大富豪が道楽で作ったスキー場として知られる。そんなヤツにスキー場が作れんのかという人もいるだろうが、趣味だからこそ妥協することなくとにかく最高のスキー場を建設しようと全米を探し回り、
たどり着いたのがこのソルトレイクの山中だった。標高が高く年間10mを超える雪が降るが、砂漠で相当の水分を抜かれて非常に軽い。アメリカのスキー雑誌「Skiing」が行う「北米で最もすばらしいパウダースキー場」では、隣接するアルタとここスノーバードが何度も1位争いをしているのだが、2002年シーズンに山頂部にリフトを追加してつなげてしまったので、1つの共通券で両山を滑ることができるようになった(でも、やめたがいい。片方だけでも1日では足りないくらいだ)。その後も設備投資を続けており(時には自然保護団体の反対を無視して)ディック・バス氏の野望はまだとどまるところを知らないようだ。
 ソルトレイクの概要のページでも言ったが、バンフやウィスラーのような、日本にはない「ロッキー」の山容を堪能するならば、このスノーバードが一番だと思う。
 ちなみにこのディック・バス氏は「世界で最初に世界の7大陸の最高峰を登った」ことで有名だ。登山家としてはアマチュアだったが、50歳を過ぎてからお金にモノを言わせ、大勢のガイド・シェルパをやとい、最後にエベレストに登って達成した。これ以来「エベレストはお金で登れる山」になり、毎年モンスーンがおさまる5月ごろに世界じゅうから「商業登山隊」が集まるようになったのも彼が草分けだ。

 朝、ホテルのロビーでガイドと待ち合わせる。私ひとりのために半日のガイド付だ。一人催行保証のための追加料金も納得だ。
 ホテルのすぐ前にバス停があり、日曜日に限り、スキーバスが来る。このへんのバスは15分くらい遅れてくるのは許容範囲内だが、必ず来るというが、本当に15分遅れでやってきた。脇にスキーやボードの板を置く器具があるのですぐ分かる。ここからすぐフリーウェイに入って市街地を抜け、スキー場へ向かう。途中、3ヶ所くらいの駐車場に寄る。これは渋滞を避け、環境を守るためにスキー場から離れた場所に駐車場を設けて、できるだけそこからバスに乗ることを推奨しているかららしい。ホテル前で8人くらいだったバスが満席近くになり、スノーバードのスキー場に到着した。
 到着していきなりアメリカのスキーリゾートを実感させてくれたのは、ロッカーだった。スキーブーツに履き替え、それまで履いていた靴はロッカーに預けるのだが、このロッカーがくせものだった。小さいものでも4ドルもしやがるのだ。ただし、1日に何回でも出し入れしていいという。クレジットカードでOKで、受付られるとレシートが出てきて、空いているロッカーのランプが点滅する。中に靴を入れて閉めると鍵がかかり、開けるときはレシートに書いてある暗証番号を打ち込むというシステムだ。こんなのは見たことないし、クレジットカードでロッカーを使うなど初めてだが、とにかく使うことにした。
 さて、ここには125人乗りのロープウェイ「トラム」があり、標高2468mのベースから約8分で標高3352mのヒドゥン・ピークに運んでくれる。リフトが架けられているスキー場で日本で最も標高が高いのが志賀高原横手山の2305mだから、ベースからいって日本のどのスキー場よりも高いのだ。こりゃあ期待できそうだ。
SNOWBIRD TRAIL MAP
この地図はスキーベース側から見たもので、トラムで登ったヒドゥン・ピークがスキー場最高地点になります。
右側の青い点線の「Bananas」というコースでは、滑りながら撮影した動画をこのサイトでUPしていますのでご覧ください。(ソルトレイクシティのMOVIE
上の地図にあるヒドゥン・ピークの裏側、Mineral Basinです。青い点線と緑の点線は動画がありますので、
ご覧ください。(ソルトレイクシティのMOVIE
山頂で。むこうに見えるのが
ツインピークスだ
 
Mineral Basin 側から見た景色。
広大なボウルとツイン・ピークス
ツインピークスのイースト・ツイン
 近くまで滑ることができる
あのゲートの向こうが
アルタスキー場だ
Mineral Basin の下部からボウル上部を
見上げる。すばらしいコースだ
オハイオ州から来たオヤジ。
「日本語でGood Morningのこと、オハイオって
 言うんだって?」そりゃあオハヨオだ
山頂の小屋はちんまりしている
 
 ロープウェイを降りるとそこはすばらしい景色が広がっていた。目の前のツインピークスはカナディアンロッキーで見た景色によく似ている。はるか遠くには「地上で最も豊かな穴」と言われたビンガム銅山がある。ロープウェイの方向を振り返ると大きな山が立ちはだかっていて、新穂高ロープウェイスキー場を彷彿とさせる。いや、なかなかいいもんだ。ガイドの人とは、上の地図の左側、ブルーのラインを使って下へ降りる。ガイドは「たいていの客はいきなり3300mに登ると息が切れるが、あなたは大丈夫ですね」とか言っていたが、フランスで3800mに登った時はクラクラしたものだ。2本分のリフトを滑ったあとクワッドで上に登る。途中、「MID-GAD LODGE」というレストランがあり、食事はここがいいという。ガイドは半日なので、ランチ前には先に帰ってしまうとのことだ。明日はこのスキー場に三浦雄一郎とその父敬三(2月に100歳になったそうだ)親子4代を含めて、総勢百人以上の日本人スキーヤーがバス3台を連ねてやってくるとかで、その受け入れ準備をやるという。もともと三浦雄一郎氏には親子4代でスキーをすることが夢であったそうだが、このスキー場のオーナー、ディック・バス氏は冒険家としても知り合いだそうだ。そのせいか、ディック・バス著の七大陸最高峰登頂記「七つの最高峰」の日本語訳は三浦雄一郎の娘が翻訳したらしい。
 再びピークに登ると、今度は裏山のMineral Basin へ行く。Basinとは盆という意味で、ボウルよりは浅い容器のことだが、日本人から見ると完全なボウル状になっている。南向き斜面なので開発されていなかったが、隣のアルタと連絡するためにクワッド2基が設置され、スキー場としても開発されることとなった。非常に広々としている。北斜面は眼前に大きな山が迫るが、こちらは遠くまで見渡せて開放感は満点だ。
 下まで降りた後、アルタとの連絡部分までクワッドで行く。このクワッド、降りる場所で直角に曲がってから降りるという、面白い設計になっている。写真を撮ろうかと思ったがガイドがいて遠慮したので撮り忘れた。まあ、アルタに行ったときにまた撮ればいいか。
 ピークでガイドと別れて、ゆっくりと写真を撮りながら滑る。とりあえずリフトは全部乗っておくか。昼になったのでMID-GAD LODGE でランチだ。ここは重厚な作りのレストランで、とりあえずバーガー類で済ませた。
 ひとりで滑るのは撮影するにも気が楽だし(シャッターチャンスを待ったり、ちょっと滑って景色のアングルがもっとよくなったら撮り直したり)、滑りながらビデオを撮るのにもマイペースでいいが、リフトの上では寂しいし、時差ボケのせいで眠くなる。これではいかんので、隣の人と話をすることにした。するとまあ、来ている客のほとんどが米国の金持ちで、息子と2人で来てオールスイートのホテルに泊まっているが、カミさんと娘はフロリダでクルーズ中だとか、アトランタから来ているけど、ここが好きで別荘があるとか、金持ちばかりだ。はるばる日本から来ている私は何なんだろう?。
 ランチ後3時間くらい滑り、4時にはあがることにした。ところが、市内へ行くバスが待てど暮らせど来ない。とうとう30分も経ったので、頭にきて普通のスキーバスに乗る。これは途中の駐車場で人を降ろしながらTRAXの駅まで行くものだ。1時間くらいかけてバスは駅に到着した。TRAXの駅周囲には何も無くて殺伐とした感じだ。ここで切符を買おうと券売機を見ていたら、黒人が買い方を教えてくれた。そこまでは親切でいいのだが、「帰るのに金が無いから、2ドルくれ」と言ってくる。冗談じゃない、とにかく断ってその場を離れたが、どうも気味が悪い。
 ソルトレイクシティは全米一治安がいいというが、駅にはどういうわけかそこのヌシみたいなのが一人いて、「つり銭をくれ」とか、券売機のつり銭の取り忘れをあさったりとか、どうも行儀の悪いことをしている。ガソリンスタンド前では(白人だったが)空のポリタンクを片手に「家に帰るのにガソリンが無いんだ、2ドル貸してくれないか」と言ってきたりするが、これもわざとらしい。単独行動の旅行者にはありがたいものではない。
 TRAXで20分くらい乗って8つ目の駅、COURTHOUSEで下車し、ホテルまで歩く。10分くらいの歩きだが、カービングの板が重くて、肩が痛くなった。やはり日本人の旅行者にはちょっとつらいが、スキー場そのものはすばらしい所だった。
 夜はスーパーマーケットで買い物をして、DRAGON GRILLという中華料理の店で食事をしてからホテルに戻った。明日は楽しみにしていたディアバレーだ。

 アメリカという国は世界の標準から外れているというか、今でもメートル法を使わない国だから、看板その他では注意しよう。旅行前にスノーバードの気温を見たら17°とあったので、やばい、やめようかと思ったが、これは華氏であり、摂氏に直すと-8℃だ。

スノーバード公式サイト(英語)

ソルトレイクシティのMOVIE) このサイトのMOVIEへ
    

    
宿泊したレッドライオンホテル
 
ロープウェイ駅。
オリンピックの興奮が
山頂にはカメラマンがいるぞ
 
「小さな雲」というリフトで
山頂に行くぞ
遠くにビンガム銅山が見える
 
Mineral Basinを上から見る
 
クワッドは降りる時でもあまり
スピードが落ちないので注意だ
いい景色だ。
 
ツインピークスを間近に
 
これからMineral Basinへ降りるぞ
 
天気のいい時は屋外がいい
 
飲み物は紙コップだけ先に買う。
りんごはどこのスキー場にもあった
後ろが厨房で、この2人は注文受付だ
 
コンビは絶妙だ
 
チーズバーガーとリンゴとコーラで
税込み$12.59だ
ウェアを掛けるのも素朴でいい
がっしりとした造作だ
 
コーラの機械も重厚だ
 
外側のデザインもいい
 
ゲレンデを見ながら食べよう
 
ケガした人もいた
 
カナディアンロッキーのようだ
 
なんだ、あのバナナってのは
 
とにかく広大だ
 
ベースに向かって
 
すばらしい風景だ
 
非圧雪コースに入るには、右の看板を見ないと入れない
 
こういうところは、日暮れごろに一人で入るのはよそう
 
ここで飛ばすと右のパトロールにリフト券を
没収される
もういっちょういくぞ!
 
看板の一番上に、7大陸最高峰(セブン・サミッツ)
のマークが・・・・
土産物屋では、今でもオリンピックが
開催されているようだ
 
1つ$9.95もするので、写真にしておく
 
7200SOUTH行きが、TRAX行きのバスだ。
念のため、運ちゃんに確認しよう
ここがバス停で、むこうにTRAXの駅が見える
 
TRAXの駅だ。
 
TRAX内部はスキーヤーも多い。
 
スーパーにあったスシだ。$5+税という感じだ
 
クリスタルガイザーは500mlが35本で$4.99だ!!
 (1本15円くらい)
実に広大な売り場だが、見やすいのがいい
 
ツマミ類だが、とんでもない種類がある
 
これは左の写真の一部で、色々な種類のピーナツがある。
 
中華料理屋で食べたスープ。なじめない味付けだ
 
やきそばは良かった
 
  
ソルトレイクシティの概要
1日目  (移動日:東京 〜 ソルトレイクシティ)  
2日目  (スノーバード)
3日目  (ディアバレー)
4日目  (パークシティ)
5日目  (アルタ)
6日目  (ソリチュード)
7〜8日目  (移動日:ソルトレイクシティ〜東京)観光ガイド